9月8日のイギリスのトップニュースはイスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸のイスラエル入植地との貿易を禁止するというイギリス政府の決定だ。イギリスばかりでない。多くのヨーロッパの国々がイスラエル人によるヨルダン川西岸への暴力的入植に批判の声を高めている。BBCはこのニュースの解説で、「イギリスとイスラエルの関係、数十年来で最低レベルに」と書いている。

一方で、イスラエルのネタニヤフ政権の閣僚2人が最近、パレスチナ自治区ガザの200万人以上の住民を事実上強制移住させる計画にサウジアラビアなど8カ国は厳しく非難する声明を出した。中東をめぐる情勢は新たな緊迫関係に入ったといっていい。

イギリス側の貿易禁止措置に対して、イスラエルはただちに、東エルサレムにあるイギリス領事館の閉鎖を告げた。この領事館はヨルダン川西岸地区を担当し、同地区ラマラを本拠地とするパレスチナ自治政府との直接交渉を担ってきた。イスラエルはさらに、ガザ地区の安定化と救援活動を調整するために昨年設立された国際ガザ支援センターから、イギリス代表を排除すると発表した。どちらも非常に敵対的な動きだ。

この措置を発表したミリバンド外相は自身を「誇り高いユダヤ系イギリス人」と呼び、「イスラエル国家を揺るぎなく支持する」と発言する一方で、「入植者によるテロ行為が横行」しており、その入植者たちがヨルダン川西岸の一部でパレスチナ人の「民族浄化」を繰り広げているのに、イスラエル政府は「見て見ぬふりをしている」と発言した。

たぶん、イギリスの新政権はトランプと結託したイスラエルによるこのところの傍若無人の外交的攻勢に業を煮やしたものと受け取ることができる。今回のイギリスのイスラエルに対する敵対姿勢によって今後、大西洋を挟んだアメリカとヨーロッパとの関係に大きな亀裂が生まれることは確かだ。