ドミンゴ忘年会によせて 夜学会
2017年12月13日
伴 武澄
はりまや橋夜学会の中から2015年12月、土佐人民共和国(略称:土民国=どみんこく)が誕生した。国民の挨拶は「ドミンゴ」と決め、翌年1月には水色で「土」の字をあしらった国旗をつくった。建国から2年、土民国の国民は50人を超えただろうか。そもそも国民の資格はない。まず夜学会に出席した人は当然、国民なのだと考えている。金曜市で露天商の「土佐山七厘社」の焼き芋を食べた人もむりやり国民だ。土民国国民はそれぞれ個人の自覚に頼っている。国民だと自覚した人はみんな土民国国民だという認識でいる。
土民国ははりまや橋商店街の賑わいを取り戻すことが最初の目的だった。2016年の正月3日の書き初め会では芋煮と餅焼きを始めた。餅はもちろん年末に土民国国民が搗いたものである。今年2月からは毎週第3木曜日に開催される木々くらぶで昼ご飯を提供することになった。8月はお休みしたので12月で10回目となる。南風診療所の方々に多大な貢献をしていただいている。12月28日は餅つきを行う。
今年3月には待望の国土が鏡村吉原地区に生まれた。荒れ果てた農地を借りたものだが、たった2反の国土の開墾が始まった。リースのユンボで雑草の根っこを掘り起こし、国有車に認定した「ドミンゴ51号」で耕し、国営農場が出来上がった。何を植えるかが問題となったが、議論の末、実のなる樹木を植えることになった。
最初に植えたのはブルーベリー、次いでウメ、スモモ、クリ、キーウィー、オリーブを植樹した。ホームセンターや植木屋で調達したものだが、すべて取りあえず植えたものである。「桃栗3年」を基準にした。カキなど8年といわれ、高齢の国民に間に合わないかもしれないという配慮もなくなはなかった。それから実はならないがサカキの苗も5本植えた。高知ではサカキが必需品。自給できるだけで助かる。
松山市の一国民はミカンの苗を植えることを約束しており、弘前市の一国民はリンゴを植えたらいいのではないかと提案している。南国市の一国民はレモンハーブを植えたいと言ってくれている。
よく育っているのはスモモである。ブルーベリーは酸性土に植えなければならないことを後で知ったが、後の祭りである。試行錯誤により国土をつくっていきたい。土民国の国民には税金つまり会費は取らないということである。しかし、国民の義務として「苗」または「種」を植えることと決めた。現在、保存されているのは藍の種とエンドウ豆の種である。
夏から国土の北側に水を引き、クレソン畑を開墾した。我々の国土はその昔田んぼだったようで、川上(吉原川)の堰から100メートルほどの農業用水路が引かれているが、長年の風水害などで完全に埋まっていた。高知市の協力もあって2カ月で水路は復活し、100ミリの塩ビ管を引いて水が流れるクレソン新田が完成した。新田ではすでに収穫が始まっており、毎週開かれる金曜市で5000円内外のクレソンが販売されている。ちなみにクレソンは流水に根っこをばらまいておけば育つ。種代も肥料代もいらない。水が流れるから雑草も生えにくい。その上酷暑期以外、通年収穫ができるありがたい作物である。年明けには第二のクレソン畑を開墾する予定となったおり、完成すれば、内外に胸を張れるほどの収穫量を確保できるものと期待している。
2月初めには、夜学会の開催も100回目を迎える。100回目からは会の名称を「ドミンゴ夜学会」と改称したい。記念のドミンゴ夜学会では100人規模の集会が出来ればと、現在、講師と会場の選定を急いでいる。国民のみなさんにはぜひとも集客にご協力いただきたいと思っている。