日本では三菱の電気自動車が来年夏に発売されることが話題になっているが、世界ではすでにいくつかの市販車が町を走っている。

 Tesla Roadstar
 アメリカの先駆けはテスラモーターの「Tesla」。以前にGMが「EV1」という電気自動車をリース販売したが、どういうわけかブッシュ政権が誕生してから町から消えてしまった。Teslaは重さ32kgのモーターを搭載。4秒で時速97kmに達する加速力を誇り、1回の充電で233kmの走行が可能。価格は9万8000ドル。
 3月に生産を開始したばかり。2008年分として1000人が予約注文した。その中には音楽バンドRed Ho tChili Peppersのベース担当であるFlea氏や俳優のGeorgeClooney氏、Dustin Hoffman氏、Arnold Schwarzeneggerカリフォルニア州知事などの著名人も含まれている。販売はカリフォルニア州など一部に限定している。   Who killed the electric car

 Think City
 ノルウェーのThinkのThink City。1999年に誕生し、Fordの傘下に入って話題を呼んだが、1回の充電で85kmしか走れずブレイクしなかった。今回のThink Cityは走行距離を2倍以上に伸ばしたのが特徴だが、価格も倍の£14,000となった。全長×全幅×全高は3120×1604×1548mm。乗車定員・2名の小型EV。シャシー/ボディ構造は、アルミ製スペースフレームとロワーフレームを組み合わせて、ABS樹脂製パネルで覆ったもので、欧州・米国双方の安全基準に適合、リサイクル可能率95%。一部のボディなどをトルコ生産にしたり、小さなパーツをフォード・プジョーから流用して、コスト低減も図っている。電池のタイプはリチウムかナトリウム電池で、充電には欧州に普及している230ボルト電源のターミナルを使用し、フルチャージに要する時間は約10時間。一充電での走行可能距離は180-200km、最高速度は100km/h。「Ox」という4人乗りのコンゼプトカーや「シティ」のカブリオレなどバリエーション豊富。
 ノルウエーが発信する電気自動車の新コンセプト

 MINI E
 独BMWグループは10月18日、現行のMINIをベースとした電気自動車「MINI E」500台を、米国市場に投入すると発表した。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州で、個人および企業顧客向けに試験的に販売する。欧州市場への投入も検討中という。11月19日、20日に開催される「Los Angeles Auto Show」で初披露される。リチウムイオン充電池と150kW(200馬力)の電気モーターで駆動し、ほぼ無音、排気ガスも出ない。1回の充電で240km以上の走行が可能という。最大トルクは220ニュートンメートル(Nm)で、時速100kmへの加速時間は8.5秒。最高時速は電子制御で152kmに制限されている。BMWはMINI Eを500台、同社の英オックスフォード工場と独ミュンヘン工場で、年内に製造完了し、年明けにはアメリカ大陸でその雄姿を目にすることができそうだ。

 中国企業が電気自動車を発売へ、価格234万円に
 中国自動車メーカーの比亜迪汽車(BYD)の王伝福董事長は昨年10月、広東省深セン市で2008年に電気自動車を15万元(約234万円)で発売する意向を示した。1回の充電で最大400kmの走行が可能だという。BYDはそもそもが電池製造。2003年に自動車会社を買収して自動車分野に進出した。リチウム電池では世界最先端の開発力を持つというからあなどれない。
  米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の関連企業であるミッドアメリカン・エナジー・ホールディングスが9月29日、BYDの新株10%を取得すると発表し、話題を呼んでいる。