シャープは2008年9月1日,同社の新製品発表会で,太陽電池と二次電池を組み合わせた直流給電システムのコンセプト展示「ミニDCエコハウス」を公開 した。いまごろになってシャープの先験的試みを知ったのだが、この「DCエコハウス」という発想はどうやら同社の前社長の町田勝彦氏から生まれたようなの だ。

 シャープ町田勝彦氏のDCエコハウスに関する講演【ビデオ】

 経済産業省は2009年度予算でDCエコハウスへの補助金を計上した。
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 昨年10月29日に開かれた「FPD International 2008」で、町田氏が行った特別講演で三つのDCを取り入れた「DCエコハウス」を提唱している。第1のDCは「直流」。太陽電池などで発電した直流を そのまま家電製品で使って電力の変換ロスを減らそうということ。第2は「diminish CO2 emission」。つまり二酸化炭素を減らすこと。消費電力が減少すれば当然のこととなる。第3は「display centric」。テレビが家の中心にあるということである。
 第1と第2は筆者の「直流ハウス」と考えを同じにしているが、第3は液晶パネルメーカーとしてのシャープの我田引水でしかなく、いわば付録である。たぶん「三つの」に併せて考え出されたに違いない。
 要は、住宅で使用する電力をすべて交流(AC)から直流(DC)に置き換えることで,AC-DC変換時の損失を無くそうというものだ。太陽光発電システ ムで得られる電力はDCであり,家庭内で使用する民生機器のほとんどはDCで動作する。従って,太陽光発電システムが家庭やオフィスに導入されれば,AC 駆動の民生機器ではなく,DC駆動の民生機器の方が,電力を無駄なく使えるようになる。
 これに併せて、経済産業省は2009年度予算でDCエコハウス補助金を計上した。