11月26日の高知市長選挙で、現職の岡﨑誠也氏が元県会議員の桑名龍吾氏に僅差で敗れた。今年の4月まで岡﨑市政はオール与党の様相を示していたが、統一地方選で自民・公明が市議会の過半数を占め、今回の市長選は事実上の自公vsその他勢力による対決となり、自公が選挙を制した。国政に例えるならば、政権交代が行われたといっても過言でない。それならば何かが変わらなければおかしい。桑名氏が主張してきた「チェンジ」が単なる市長のすげ替えの終わってしまってはならない。

まず11月28日に予定されていた市長による12月市議会への議事説明会が延期となった。岡﨑市長はすでに12月議会の開催を議長に求めていて、12月8日の開会が決まり、その日程に沿って各会派への市長説明会がスケジュールされていたのだ。新市長の任期は11月30日からだが、まさか岡﨑氏が説明するはずないと思っていたら、投開票日の翌日、各議員に説明会の延期が伝えられた。当然である。

20年前、松尾市政から岡﨑市政に変わった時は、ある意味で政権の禅譲だったから、12月議会のリスケジュールはなかったそうだ。今回、市議会への提案で、桑名カラーが出なければおかしい。各会派への市長説明も同様だ。今のところ、市議会の開会は1週間遅れとなりそうなのだが、1週間で桑名カラーを鮮明にだせるかどうかが、注目点となりそうだ。

政権交代は最初が肝心だ。民主党が政権を取った時、マニフェストは「コンクリートから人へ」だった。前原誠司国交相が就任早々、八ッ場ダムの凍結を打ち出したことを思い出している。そんなかじ取りがあって有権者は初めて政権交代への高揚感を感じ取れるのだ。