10月26日、27日と四万十市の学校給食、30日は武蔵野市の学校給食現場を視察した。選挙公約で「オーガニックな学校給食を」と訴えた。7月には高知県内でオーガニック議員連盟がつくられ、事務局長となったばかり。給食の現場視察は大いに刺激となった。

四万十市の給食は、中村市時代の2002年9月に4つの小学校から始まり、2009年には全部の小学校に広がった。そもそもそれまで給食がなかったこと自体が驚きだった。澤田五十六市長の一期目の1999年、こだわり農業研究会がたちあがり、有志10人が集まり、安全性の高い農産物の生産を目指すことになった。すでに市内のいくつかの集落では20人の生産者が有機栽培の農産物を生産、直販していたことが大きかった。この研究会は翌年9月、行政として生産者や消費者にもメンバーになってもらい、「環境にやさしい農業のための研究会」へと発展した。澤田市長の二期目、公約として学校給食の実現を掲げていたため、どうせなら有機栽培のお米や野菜で給食をやろうということになったらしい。つまり、最初に有機給食ではなかったが、二つの運動がシンクロしてしまったというのが実情だった。独自の認証システムは有機農産物を三つのランクに区別し、購入価格もランクの応じて決めている。例えばAランク米は1キロ=500円、Cランクは380年となっている。コメは全量が有機米となっているが、野菜はまだ二十数%時価実現していない。視察に参加していた土佐清水の市議によれば、「清水では2年前に全国で最後に給食が実現した」という。

武蔵野市の場合、13の小学校と6つの中学校で給食を提供しているが、オーガニックとか有機という発想はもともとないという。コメは有機JASもしくは特別栽培米を全国から調達している。野菜は19%が有機JAS、特別栽培は56%、残る23%は市内の農家から調達しているが、市内の農家は無農薬栽培をしているわけではない。農家から運ばれる野菜は当然、土つきで、丁寧な洗浄を行っている。九色は2カ所の調理センターがあるが、自校調理は4校ある。学校の建て替えが始まっており、今後の新しい校舎では自校給食に切り替えることになっている。2カ所の調理センターで働くのは117人、うちお母さんたちが39人。調理師がすべての献立をつくっており、栄養教諭はいない。子どもたちを学校に送っている時間帯だけ働く形なので、お母さんたちには好評だという。「武蔵野市の給食はお母さんたちが作っている」という言葉が印象に残った。そもそも給食が始まったのは1955年。調理センターは1973から。中学校の給食の開始は遅く、2008年に始まった。特徴的なのは「選択制」でお弁当を持ってくる生徒も若干はいるそうだ。