高知県では秋に向けて少なくとも三つの大きな選挙がある。知事選、高知市長選、そして参院補選。際立った候補者がない中で、これらの選挙をどう見ればいいのか。4月の統一地方選挙で東京都杉並区議選では劇的な勢力の変化が起きた。48議席をめぐる選挙で、自民党は改選前の16議席から9議席に減らし、公明党も7議席から6議席に減った。また、新人15人が当選し、現職12人が落選。女性比率もそれまで約3割だったのが、一気に半数を超えた。

昨年の区長選では、現職の田中良氏が4期目を目指し、自民、公明、さらには石原伸晃氏の支援も受けたが、野党が支援する新人の岸本聡子さんが187票の僅差で勝利した。岸本さんは国際NGOで20年近く海外に拠点を置いており、日本に帰国し、立候補を表明したのは選挙のわずか2カ月前だった。「地盤・看板・かばん」はなく、厳しい状況だった。そんな中で市民ボランティアが大きな役割を果たした。

その前の年の総選挙では、地道に地元で活動してきた吉田はるみさんが野党統一候補となり、自民党の石原伸晃氏に勝った。ボランティアたちの活躍で投票率が5.61ポイント上がった結果だった。区長選でも5.48%上がっていた。区議選では5ポイントには届かなかったが、4.19ポイント上がっていた。3つの選挙でたった5ポイントの投票率アップで勢力地図が激変したのだから、がぜん選挙が面白くなる。

政治は変わらなければ面白くない。変わるから面白い。高知の知名度を上げるために最も有効なのは「全国ニュース」になることである。どうせ選挙をやるならそんな選挙を期待したい。問題は何を変えるかである。候補者は地盤・看板ばかりを意識するのではなく応援したくなるような大胆な政策提言を行ってほしい。