日経新聞などによると、東北、中国、四国、九州では、電力消費が低い4、5月には再生エネルギーの供給が需要を上回る規模に達していることが明らかになっている。すでに九州などでは再生エネ事業者に出力抑制を要請するほどになっている。国内に点在する揚水発電所の発電規模は2700万キロワットにもおよぶにも関わらず、利用率は3%とほとんど利用されていない。作りすぎた電力は揚水発電所に備蓄すれば、余剰電力問題はほぼ解決するのではないかと考えるのは「素人考え」にすぎないのだろうか。

 経産省は、出力抑制を求めた際に事業者に対して「減収補填」するための制度を検討しているが、主客転倒ではないだろうか。

 実は日本は揚水発電所の隠れた宝庫。全世界の17%の設備が日本にある。しかし、原発事故の影響で利用率が大きく低下している。かつては余剰電力が生じる夜間に「揚水」して、需要の多い昼間に発電して来た経緯がある。太陽光発電で昼間に余るのなら、昼間に「揚水」すれば、夜間の需要に応えられるはずだ。

 日本の揚水発電所は基本的に原発に対応して建設させてきた経緯があるだけに、主要原発との間には巨大な送電施設も設置されている。中山間地の太陽光発電では一部で送電容量が問題となっているが、問題があるのであれば、解決する努力が必要なのではないか。