11月15日(金)の夜学会
テーマ:ベルリンの壁崩壊30年
時間:午後7時から
場所:WaterBase

ベルリンの壁が崩壊してから30年。自由を求める東欧の人々の声が共産党の厚い壁を打ち崩した。半年前の天安門では自由を求める学生たちの声は人民解放軍の銃声によって打ち崩されたが、7月のフランス、アルシュ・サミットを前にワルシャワ、ブタペストを訪問したブッシュ大統領は「ここ東欧でコペルミクス的転回が起きている」と演説したのが印象的だった。
ヨーロッパでは国境なき統合の動きが加速していた。10年後、ヨーロッパは東欧をも包含する巨大な共通市場を築き、誰もが新しい政治的動きに明るい未来を描いたはずだった。
それがどうだろう。30年を経たヨーロッパは中近東やアフリカからの難民が急増し、再び国境を意識する国民意識が台頭している。
歴史のベクトルは逆転し始めている。豊かさが寛容の心を育むものだと思っていたら、実はそうではなかった。
国内に目を向けるとどうだろう。日本はデフレの呪縛に縛られたまま30年が経った。30年前、労働市場を海外に開放しようとする議論が沸き起こった。しかし、日本では外国人に対する壁は崩れることはなかった。世界の歴史は一循環したが、日本という国は何も変わっていない。異なるものを受け入れる心は日本人の中に浸透したことはないのだ。