2月17日(金)の夜学会のテーマは「小説1984」の復活です。時間はいつものように午後7時から、場所ははりまや橋商店街「めろでぃー」。 

英国のジョージ・オーウエルが1948年に書いた「1984」が2017年1月25日、アマゾンの小説売り上げトップとなった。トランプ大統領の登場が影響らしい。忘れられたこの小説は大三次大戦の後、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3国が統治することになり、オセアニアではBig Brotherが支配、国民はテレスクリーンに監視されて、すべての私的生活が存在しなくなるという未来小説である。ソ連やナチス下のドイツなどの全体主義に反対する意図をもって書かれたが、歴史や過去の新聞は常に現在の体制に都合のいいように改ざんされ、二重思考、簡素化された新語法ニュースピークなどで人々が体制を批判する表現方法まで奪ってしまう。なにやら21世紀の世界を予言しているようで恐ろしい。News Weekは、大統領就任式の参加者の数を「史上最高」と強弁し、嘘を「オルタナティブ・ファクト(もう1つの事実)」と言いくるめる政権の手法が、独裁政権が徹底して情報を管理するオーウェルの名作を思い起こさせたのかもしれない、と書いている。