3月11日(金)午後7時から

場所:はりまや橋商店街イベント広場

1990年代から世界経済を席巻するグローバリズムとは何か。12月にテーマとして取り上げたことがある。国単位の経済からボーダーレス化が進み、企業は相次いで合従連衡し巨大化した。その結果、企業は国家の呪縛から解き放たれて、もはや国家は巨大企業の行動をコントロールできなくなっている。

そのグローバリズムがもたらしたのは貧富の格差である。90年代に日本の労働コストが世界トップレベルであったのは確かだったが、いつの間にか、先進国で最下位に低迷している。1929年の世界恐慌はニューヨーク株式市場の底が抜けたことから始まった。金持ちも富をなくしたが、ゼロになったわけではない。

しかし働く場を失った労働者は路頭に放り出された。資本主義の危機はロシア革命の進行ととにも訪れたのだった。その時、注目されたのが、協同組合経営だった。資本主義でもない、社会主義でもない、第三の道が模索された。実は経済のグローバリズムはソ連の崩壊後に始まったものだ。社会主義が崩壊した後に資本主義は再び暴走を始めたといってもいい。

経済がモノを中心に発展しているなら大きな問題はなかったが、グローバリズムはマネー経済が牽引する。グローバリズムの時代、国家は巨大企業の行動をコントロールできなくなったいるにもかかわらず、中央銀行は経済対策として、通貨を膨張させてきた。本来、こうした中央銀行の行動は通貨安を伴い、インフレを引き起こすはずなのに、ヨーロッパでもアメリカでも日本でもインフレは起きない。それは主要国がみな同じ、ゼロ金利を行ってきたからだ。

今我々が考えなければならないのは国単位の経済ではない。むしろ地域単位でどう経済を立て直すかということである。友愛の経済学は1930年代に賀川豊彦がアメリカで発表した経済施策である。協同組合的発想で世界経済を組み立て直す必要性を強調したものだった。ひょっとしたら、今こそ今一度、第三の道を模索する時期なのかもしれない。そんな思いを強くしている。