スコットランドで9月18日、独立の是非を問う住民投票が控えている。日本のメディアでは小さな扱いでしかないが、ヨーロッパでは高い関心を呼んでいるはずだ。万が一、独立派が勝てば、イギリスは連合王国の名を返上しなければならなくなるかもしれないから、地政学的にも大きな住民投票となるのだ。

 サンデー・タイムズの調査の最近の調査では、独立派が、反対派を上回ったというから驚きだ。英タイムズの調査では、8月4-7日の時点では独立反対が61%で賛成を22ポイントも上回っていたのが、8月12-15日、反対57%、賛成43%と14ポイント差まで縮まり、8月28-9月1日、反対53%、賛成47%で6ポイント差だった。

 スコットランドは1603年、スチュアート朝のジェームズⅥ世がイングランド王ジェームズⅠ世となって両国の国王を兼任し、1701年に国家が合同してグレートブリテン連合王国となった歴史を持つ。スコットランド議会はその時、閉鎖され、ウエストミンスター議会に併合されたが、ブレア首相の1999年、スコットランド議会として復活した。

 住民投票で独立支持が反対を上回った場合、2016年3月24日の独立を予定している。独立後も通貨同盟により引き続きポンドを利用することに英国民は合意すると支持派は主張しているが、英国の主要3党はこれを否定している。

 写真に示したように、ユニオンジャックはイングランドとスコットランド、アイルランドの旗を重ねた図柄となっているが、水色の斜め十字が脱けると間の抜けたイギリス国旗になってしまう。さらに英国王を元首と戴くオーストラリアやニュージーランドなどの国旗も変更を余儀なくされることになる。

 20年前、「北海道が独立したら」というコラムを書いたことがある僕としては何やらワクワク気分なのだ。
 http://www.yorozubp.com/95-97/950228.htm