財団法人国際平和協会は3月4日、「北京の崇貞学園が遺したもの」と題して東京で清水安三を顕彰するするフォーラムを財産法人霞山会と共催することになった。

 清水安三は戦後、桜美林学園を創設した人として知られるが、戦前の中国での献身活動についてはほとんど知られていない。1921年、北京の朝陽門外で、飢饉で飢えた近隣の子ども達を救済する傍ら、スラムの貧困層の子ども達の自立を目指す職業教育学校「崇貞学園」を設立。キリスト教の精神で国境を越えた愛の教育を貫いた。
 一方、四半世紀に及ぶ北京在住で、中国の知識人と積極的に交流を図った。上海の内山完造は有名だが、たぶん内山を凌駕する広い交遊を育んだ唯一の日本人だった。
 その清水安三の胸像が2005年、反日デモの最中に建てられた。北京在住の日本人ですらその胸像の存在を知られていない。フォーラムではその朝陽門外で育った桜美林学園の理事長の佐藤東洋士氏と、『朝陽門外の虹』(岩波書店刊)の著者、山崎朋子氏からお話をうかがう。昨今の日中関係に鑑み、清水安三が生きた時代を振り返り、国境を越えた愛の姿を今一度顕彰したいと思う。ぜひご参加願いたい。

■演 題:「北京の崇貞学園が遺してくれたもの」
■講 師:佐藤東洋士氏(桜美林学園理事長)、 山崎朋子氏(作家)
■日 時:2013年3月4日(月)17:30~20:00
     17:30:開場
     18:00~18:45:講演(佐藤東洋士氏)
     18:50~19:35:対談 山崎朋子氏vs佐藤東洋士氏
                  (進行:伴 武澄)
     19:40~20:00:質疑応答
■場 所:霞山会館「牡丹の間」千代田区霞が関3-2-1霞が関コモンゲート西館37階
■会 費:無料
■申 込:事前登録制です。メールに①氏名(必須)②連絡先電話番号(必須)③所属(任意)を明記のうえ、メール件名は「講演会申込」として、koudoku@kazankai.org 宛てお送りください。締切:3月1日(金)
■共 催:財団法人霞山会、財団法人国際平和協会
■問合せ:財団法人霞山会 
      〒107-0052東京都港区赤坂2-17-47赤坂霞山ビル
      電話03-5575-6301 FAX03-5575-6306 koudoku@kazankai.org

 清水安三に関して萬晩報が最初にコラムを書いたのは2004年のことだった。賀川豊彦を追悼する冊子に桜美林学園の清水安三の名があり、そのつながりを調べたことから始まった。その後、北京大学の創立100年の式典に当時、桜美林の理事長だった清水畏三氏の講演録を発見し、掲載した。また2010年には朋友、岩間孝夫氏が北京で清水安三の胸像が立ったことを報告してくれた。その間、いくつか清水安三に関する書籍を読み、こんな日中間の時代こそ、今一度、清水安三を顕彰することが必要だと考えた。

 このフォーラム実現のために霞山会、桜美林学園関係らにお世話になった。