2008年7月28日 証券倶楽部

・協同組合的発想は資本主義と社会主義のアンチテーゼとして発展してきた。
・宗教が中心だった時代、経済も宗教の影響下にあった。ヨーロッパでは中世までそうだった。ギルドも教会の元にあった。宗教革命は経済を宗教から解放するという側面があった。社会規範としての宗教の権威が崩壊した。
・イスラムはまだ残っている。賀川はもう一度、社会規範としての宗教の地位を取り戻すべきだと考えた。
・ロバート・オーエン、イギリスのロッチデール、プロシアのライフアイゼン
・ロッチデールは生協の生みの親。互助が中心。1ポンドずつ出し合い、「消費高に応じて利益を払ひ戻した」①一人一票②利益を教育に使った。The Equitable Pioneers of Rochdale(Equitableは、公正や公平)であった。

  1. 取引は市価で行う。(そこから得た利益は購買高により組合員に配分する制度)
  2. 品質の純良。(当時の社会状況は、物価が上がっても、値段を上げられないため、混ぜ物をいれるや重量をごまかすことが多かった)
  3. 現金での販売制度。(労働者の負債をふせぐため)
  4. 組合管理での組合員の平等。投票は、一人一票で委任不可の原則。(組合員、一人一人に民主的投票権を与える)またその後、1850年の2月の総会での「宗教的な議論の禁止」についての議論から、
  5. 組合の政治的、宗教的な中立の原則。(組合員の信仰と思想の自由の原則)

    ・組合の販売店をつくり、日用品や衣類を扱う。
    ・組合員の住居となる家を建てたり買い、家庭的にも社会的にも環境改善を図る。
    ・組合員の中の失業者や、賃金が下げられ貧困になった組合員ための職を確保する製造事業を始める。
    ・ 組合員が、その利益や安全を守るために耕せる土地を買ったり借りたりする事を進んで行う。
    ・組合員のための諸機関(生産、分配、教育や政治)を整える。
    ・フレンドリ・ソサイテイは健康保険組合
    ・1869年頃へーデスブルグのフレデリツク・フオン・ライフアイゼンがロツチデール原則を改良して、農村信用組合の組織に応用したライフアイゼンは熱心なキリスト教信者であつたから、金融に依つて得た利益を組合員中の、最も貧しき者に生業資金として無利子で貸し与へる様にした。英国の「クレジット・ユニオン」「ビルディング・ソサエティー」、ドイツの「クレジットゲノッセンシャフト」、米国の「クレジット・ユニオン」「ミューチャル・スリフ」などが有名
    ・日本では、明治維新以降、日本は、資本主義による急速な産業化を進めたが、こうした中で、株式組織の銀行は、地方で集めた資金を、都市部の大企業や土地投機に集中的に運用したため、地域の中小零細企業や庶民は、自分達の預けた資金を利用できず、地域社会は疲弊衰退し、貧富の差が拡大し、社会の混乱が生じた。
    明治政府は、こうした資本主義の弊害を是正するためには、資本の原理による株式会社の銀行ではなく、ドイツの信用組合を見習って、営業地域や融資対象を限定し、一人一票の民主的な運営原理による協同組織の金融機関を創設することこそ、中産階級の育成と庶民の生活安定のために必要であると考え、内務大臣の品川弥二郎や平田東助が中心となって、1900年(明治33年)に産業組合法を制定した。
    ・ 一九三五年の四月には、五百二十万人の組合員と一万四千六百の組合が出来、信用組合だけでも十八億円に近い資本金を持つ様になつた。また協同組合の仕事としては、利用、販売、購買、信用の四種事業を兼営するやうになつた。
    ・ギルドと講、頼母子講、惣=相互扶助で村を守る
    ・共済組合の面白き発達は、京都市伏見の町に於いて見られた。そこに於いて始まつた共済組合は信用組合をも兼ねてゐたが、その利益金の一部を以つて商業学校と女学校を経営し、その卒業生の中優秀なる者に対しては帝国大学にまで送り、その学費を全部支給して
    ゐた。仮令かうした方法を採り得ないでも、各種協同組合の余剰金の一部を教育保険組合の資金として残して置き、組合員の子弟にして高等教育にまで進まうとする者に対して、据置無利子の金を貸出し、その学生が他日成功した後に、年賦でこれを償還する方法も出
    来ると私は思ふ。

・賀川自身は灘、神戸消費組合、中之郷信用組合、中野総合医療組合などをつくった。大阪の組合は戦火で消失してしまった。
・産業議会、協同組合議会プラス労働組合議会 国家の産業を搾取制度より解放せられたる統制経済に導くために開かれる。その系統機関は(一)衛生及び保険組合系統、(I)生産組合系統、(三)運輸及び販売組合系統、(四)信用組合系統、(五)共済組合系統(教育者、技術者、社会事業者を含む)、(六)利用組合系統、(七)消費組合系統の七種
・フレッチャー・ジョーンズ
・コープ神戸
 1.組合員数 1,353,850人
 2.出資金 459.6億円
 3.組織率 61.3%
 4.個人宅配「ひまわり」・協同購入グループ・店舗ふれんず
  個人宅配訪問軒数 141,169軒
  協同購入グループ数 64,856
   グループ 協同購入グループ訪問軒数 221,003軒
  店舗ふれんず数 11,649ふれんず
  店舗ふれんず登録人数 79,041人
 5.組合員一人当たり利用高 16,768円 (前年2006年度期末)17,305円
 6.組合員一人当たり出資金 33,950円  (前年2006年度期末)35,850円
 7.出資金3万円以上構成比 20.70%  (前年2006年度期末)21.61%
 8.総職員数 11,412人