町政を一変させるポテンシャル―高知県檮原町
高知市から車で西に2時間ほど走った山間に檮原町がある。龍馬脱藩の道として知られるようになり最近、観光客も増えてきた。この町はエネルギー自給の町としても知名度をあげ関係者による視察が引きも切らないというのだから、面白い。
10年ほど前から「エネルギーの地域内自給と資源循環」を目指してきたから先見の明があった。風力、小水力、太陽光発電に加えて、間伐材を加工したピレットという燃料の使用も奨励している。
全国自治体の中でダントツの補助金を支給しているのが太陽光発電。1kw当たり20万円。3kwという平均的発電システムだと60万円にも及ぶ。これに国の14万円、高知県の10万円を加えると84万円にもなる。3kwのシステムは安いものだと150万円からあるからほぼ2分の1のコストで導入できることになる。今年から始まる「買い取り制度」が導入されれば、家計を潤すことにもなりそうだ。
風力発電は北部の四国カルストに600kwの風車が2基立っている。風力発電は風の強さが左右する。つまり稼働率。全国平均が20%であるのに対して、ここでは30%。1・5倍の効率で発電する。4億4500万円を投資したこの2基の発電機は毎年4000万円を稼ぎ出す。「買い取り制度」導入後はこの稼ぎがさらに3倍増する計算となる。そもそも建設は1999年10月の建設だから、コストはほぼ償却しているはず。年間60億円の町政からみれば大きな収益源となる。
檮原はエネルギーの自給だけでなく、町政のあり方を一変させるかもしれないポテンシャルを持っていることになる。