協同組合といっても普段は生協ぐらいしか頭に浮ばない人が多いと思う。農協も漁協も林業組合も実は非営利の協同組合によって成り立っている。原則の「自助共助」精神」はどこへ行ったか。農協の漁協も国への依存度が高いだけでない。自民党の強力な支持団体だった。逆に生協は左翼勢力の生きる糧と化している。ロッチデール原則は政治の排除だったのではないか。
 そもそも協同組合は行政ができないことから運動をスタートさせた。義務教育がない時代に教育を支えた資金は協同組合の収益だった。公的医療保険がない時代に賀川豊彦は医療協同組合の必要性を強調し自ら中野総合病院を設立した。
 その後、国家が教育や社会福祉を自らの仕事とするようになって、協同組合の影が薄れてしまった。今年2012年は国連協同組合年である。各国で多彩な行事が予定されている。日本でもJA全中が中心になってロゴマークをつくりシンポジウムも計画されている。11月には神戸でアジア大会が開かれることになっている。
 しかし、いま考えるべきはお祭り騒ぎではない。国家と協同組合のあり方に眼を開くべきである。世界的に国家財政が破綻している。その背景には社会福祉など本来、住民の自助共助で賄われるべき分野にまで国家の力が浸透したからにほかならない。国家財政が破綻したからといって、もはや教育や社会福祉が後退することは許されないが、国家によって協同組合精神が失われたのは事実である。
 いま一度、自助共助の精神を復活させ、国家への依存心をあらためなければ、人々の教育や社会福祉が壊れてしまう。そんな危機感を持つ必要があると考える。増税を阻止するにも自助共助の分野を住民の手に取り戻さなくては空念仏に終わる。
生協2600万人、農協950万人、信金・信組1200万人、労金1000万人、医療生協2700万人。組合員数を眺めるだけで、われわれはどれほど協同組合に依存しているかが分かる。世界には人口が1000万人に満たない国家がどれほどあるか考えれば、これだけの人々が協働すれば、国家にできないことですら実現可能であると考えなくてはならない。自助共助が必要なのは教育や社会福祉だけではない。環境や食の問題も協同組合の仕事である。
 特に3.11以降、関心を呼んでいるのがエネルギー分野である。実はエネルギーの自給は過疎の地である方が有利なのである。まず支えるべき人口が少ない。次いで水と森林というエネルギー源を背後に抱えるのが過疎の山間地なのである。

国連の国際協同組合イヤーに何を考えるか生協    組合員数2621万人
農協    組合員数 949万人
漁協    組合員数 36万人
森林組合 組合員数 157万人
医療生協 組合員数2710万人
労金    構成員数 999万人(会員数57,886人)
信用金庫  会員数 931万人
信用組合 組合員数276万人
(2010年度、農協は2008年度、漁協は2009年度)
 そんな自助共助の先にあるのが、協同組合の国際的な連帯である。国家の枠組みを超えたところで教育、社会福祉、環境、食、エネルギーを考えていけばどうなるか。わくわくするではないか。世界連邦が先にあるのではない。国境を超えた協働の果てに世界連邦は自然に発生するはずだ。(世界連邦運動協会四国ブロック長・高知支部長 伴 武澄)