『イエスの宗教とその真理』が再販されていることを知らなかった。ミストル社の河合一充氏が、「後世に残したいキリスト教関連の古典」復刻版シリーズ第一弾として復刻したもので、以下のような解説を書いている。
 「傷つけられたる魂にイエスの言葉は恩(めぐみ)の膏(あぶら)である」の序で始まる本書は、イエス・キリストの福音を、著者の体験を通して分かりやすく語った名著。
 賀川豊彦の行動と思想の原点である「新約聖書」を分かりやすく伝える、古典的名著(1921年初版)の復刻版です。クリスチャンでなくとも、キリスト教に関心ある人にはベストの入門書と言えます。
 大震災を機に、日本人に宗教への関心と要望が高まっているとき、復興への力と勇気、生きる希望を与えてくれることでしょう。

――賀川豊彦(1888~1960)とは――
 貧しい人々の救済と民衆のための伝道に生涯を捧げたキリスト教伝道者・社会運動家。明治42年(1909年)、神戸のスラム街(貧民窟)に移り住み、貧しい人々のために救済事業に立ち上がる。
 大正年間に、神戸で労働運動、生協の前身・購買組合運動、医療福祉運動等を創始する。広く日本の社会運動の先駆者となる。戦後、日本生活協同組合連合の初代会長。「生協の父」と呼ばれる。
 著述家・詩人としても天才的才能を発揮。彼の自伝的小説『死線を越えて』(1920年)は改造社より出版、戦前の空前のベストセラー。復刻版がPHPより出る。
 評論家・大宅壮一は言う、「賀川は明治・大正・昭和の3代を通じて、日本民族に最も影響を与えた人物ベストスリーに入る。近年日本を代表する人として、自信と誇りをもって世界に推挙したい」。
 事実、20世紀において世界で最も知られた日本人は”カガワ”であった。彼の偉大さは今も記憶から消えない。
 【復刻版】 イエスの宗教とその真理 賀川豊彦