日経エレクトロニクスが「エネルギー源としてクルマを考えてみる」を3回にわたって特集している。萬晩報はかねてから緊急電源として自動車の有効性を指摘してきたが、電池の能力など不明なことが多く、具体的にどれほどの電力を供給できるか説明できなかった。
 まず、日産自動車の「リーフ」について、家庭で消費する2日分に相当する24kWhの電力を賄えるバッテリーを搭載することを明らかにしてた。そして震 災時にPHEVやEVを活用することによって相当程度の電力を賄えるとことを指摘している。非常にうれしいニュースである。
 また国内にある自動車がすべて20KWhの電池を装備したEVになれば、たった10%の電力を6時間供給するだけで原発25基分の発電量になるというの だから驚きである。PHEVの場合はさらにエンジンという強力な発電装置を備えているから、フル運転するだけで瞬間的には電力会社はいらなくなるほどのポ テンシャルを持っているということになるのだ。
 みなさん、どう思いますか。

 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110805/194690/?P=2
 以下、日経エレクトロニクスの記事の一部を転載する。
 実際、夏場の電力不足時には、各家庭やオフィス、企業でピーク電力を15%程度削減することを強く望まれている。これを家庭で考えてみよう。家庭での電 力ピーク時の1時間当たりの電力使用量を2kWh程度と見積もると、その15%は300Wh程度である。これを6時間にわたって削減するには、約 1.8kWhの電力をクルマから供給できればよいことになる。これは、リーフと同じ24kWhのバッテリーを搭載したEVであれば、バッテリーの容量のわ ずか7.5%程度で済む。これなら十分対応できそうだ。
 一方、PHEVの場合は、せいぜい5kWh程度のバッテリーしか搭載していないため、6時間にわたって供給するにはバッテリーの容量の36%分を供給す る必要があるため、バッテリーだけに頼るのは難しいだろう。ただ、PHEVにはエンジンと大きな発電機(モータ)が付いている。そのため、足りない分はエ ンジンで発電して賄うことも可能である。
 このようにEVやPHEVのバッテリーを家と連携させる取り組みは非常に価値があることが分かる。実際、経済産業省と自動車業界は2011年5月 19日、「自動車戦略研究会」と呼ぶ会合を開き、夏場のピーク電力時にEVなどに搭載されたバッテリーを活用して電力使用量を削減する検討を始めたところ である。
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 国内の自動車保有台数は約7900万台(2011年2月末時点)である。仮にすべてが20kWhのバッテリーを備えるEVになった場合、蓄えられる電力 量は約15億8000万kWhとなる。このうち、各車両から10%の電力量を6時間にわたって電力ピーク時に電力網に供給できたとすると、1時間当たり約 2600万kWhもの電力量になる。これは原子力発電でいえば原子炉約25基分の発電量に相当する。また、すべてが5kWhのバッテリーを備える PHEVになった場合でも、同様に1時間当たり約660万kWhと、約6基の原子炉が生み出す電力量を供給できる計算だ。

 もちろん、これらの試算の前提はインパクトの大きさを測るために設定した極端なもので、とても現実的とはいえない。そこで、もう少し現実的に3%がEV に、20%がPHEVになった場合で算出すると、1時間当たり約210万kWhになる。つまり、原子炉約2基分の発電量に相当するのである。