8月23日、トヨタが新型カムリを米国で発表した。日経新聞によれば「価格は2万1955~2万9845ドル(約170万~約230万円)。大半のグレードの価格を現行モデルより安い水準に」。
 ちなみに日本でもカムリの価格は250-347万円。米国モデルの最上級のハイブリッド仕様車が国内の最低モデルより格段に安い。このカムリは米国製だ から、日本製と価格が違ってもおかしくない。しかしトヨタがグローバル企業を名乗るなら、コストの安い米国製トヨタ車を日本に大量に輸入してもおかしくな い。日本の消費者も価格が2割、3割下がるなら大歓迎のはずだ。
 トヨタ、米で新型「カムリ」発表 5年ぶり全面改良 【日経新聞8月24日】
 こういう議論をすると必ず出てくるのが、「ものづくり日本が崩壊する」ということであろう。しかし日本の輸出 産業を苦境に陥れた最大の原因が輸出産業のがんばりだということを忘れてはならない。過去のどんな円高にも耐えてしまったことがさらなる円高を生み出すと いう悪循環を繰り返す要因となってきたのである。
 エレクトロニクス業界はそうした悪循環からとうの昔に脱却している。われわれが量販店で購入する家電製品のほとんどがアジア製となっている。ニッサンは昨年からマーチをタイで製造し国内で販売している。