リチャード・李 インタビュー 1990年

Richard Li

 香港企業がことし4月に新興工業国・地域(NIES)として初めての通信衛星を打ち上げ、アジア全域をカバーする類をみない広域サービスに乗り出す。中でも注目をあつめているのが日本からイラクにまたがる多国籍衛星放送事業を計画しているハチソングループの動向。衛星事業を統括するリチャード・リー氏(26歳)に通信衛星を使った今後の事業展開を聞いた。
 問 衛星事業を姶めたきっかけは
 答 われわれは中・英との合弁事業で衛星を打ち上げた。米ヒューズ社のスーパーバードU。打ち上げ後、軌道に乗り損ねた衛星をスペースシャトルが回収したものだ。いわば中古衛星だが、その衛星を買ったことが始まり、昨年4月に中国の長征Ⅲロケットで再打ち上げに成功している。
 問 香港は面積が小さく衛星など必要ないのではないか。
 答 われわれが考えているのは国際展開であって単なる国内事業ではない。衛星はアジアの主要35力国、29億人をカバー。12のトランスポンダのうち半分を通信用として使用、残りを放送用に活用する計画だ。
 問 衛星放送事業が変わっているといわれるが。
 答 まさにハチソングループ単独事業としてやるのが衛星テレビ。あじあ経済のボーダーレス化が始まり、多くのビジネスマンが外国で働くようになった。そうした高学歴の人を中心に日本語や中国語など多国言語放送となる。
 問 番組の内容は
 答 24時間ニュースや音楽、スポーツなどが中心となる。主に欧米のテレビからグレードの高い番組を買うが日本の放送局とも話を進めている。香港政府に放送開始を申請中で今年二、三月ごろには三チャンネルで営業が始められると思う。
 問 衛星を利用した他国への放送は国際条約で禁止されている。
 答 その点は問題ない。この衛星が使用する電波帯は通信ようのCバンドだからだ。わわれはこの事業を単なる衛星テレビだけではなく『新しい地域電子メディア』ととらえている。
 問 そうした多国籍放送はアジアの政治・文化にも影響を与える可能性が強いが。
 答 まさにその通り。東欧が崩壊したのは西側の情報が衛星によってもたらされた結果だともいわれている。国境を越えた疑惑が解かれ、相互理解が進めば、どの国も同じだということが分かる。平和が訪れ、貿易や投資も拡大する。途上国にとっても情報の綱領は生活の向上につながると信じている。(完)

伴武澄 について

新聞記者を定年退職後、高知市へ帰り、旧鏡村でシイタケとクレソンを栽培しながら、はりまや橋商店街で毎週金曜日に露天を商い、その夜に「夜学会」を開催するスーパーおじいさん。
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