EVで中国に敗れたトヨタ

トヨタの評判のEV「bz7」は広州汽車の「A800]そのものなのだそうだ。2カ月前、上海の自動車ショーで注目を集めたのはニッサンの「N7」。発売開始から5月30日までの35日間で、新型N7の受注台数は1万7,215台に到達。起死回生のEVとなる可能鵜性を秘めている。N7のグレードは「Max」「Pro」「Air」の3種類。価格は11万9,900元(約240万円)から。この価格で510キロ以上走れるというから驚きだ。ニッサンが数年前に日本で発売した軽のEVは1回の充電での走行距離が200キロ足らずで300万円近い価格だった。関係者の話を総合すると、このEVの開発は中国側の合弁企業、東風社なのだ。このところの中国でのEVの開発スピードは半端でない。上海でもう一つ日本の自動車関係者が注目したのはマツダのEZ60というEV。これも提携先の長安汽車が開発した。日本の自動車メーカーはハイブリッド車が開発の中心で、EVではとんでもない遅れを取っている。
日経新聞が7月14日から3回続きで「沈むな日本車」という記事を連載した。『「安くて速い」に勝てぬ現実』が見出しである。50年前、日本車がアメリカの排ガス規制を乗り越え、さらに燃費でアメリカ車を凌駕した時代、GMやフォードは日本で何が起きていたか全く理解できていなかったと思う。敗戦国日本の小さな自動車メーカーにそんな力があるはずがないと思ったはずだ。今、日本の自動車メーカーの首脳も同じことを考えているのではないかと思う。「中国に日本車が負けるはずがない」。
2019年、つまり8年前、日本車は世界シェアの3分の1を占めていた。中国勢は10数%だったが、日本車のシェアがどんどん縮小し、中国勢は2倍以上に増えて、日本勢を追い越そうとしている。主力はEVなのである。中国のどんな小さな町でも国産車の存在感は半端でない。そしてそのほとんどがEVであることに驚く。
1年ほど前、ネットでBYDの経営が危ない、中国の自動車産業は政府の補助金頼りで、EVの墓場が随所にあるという報道が繰り返された。どちらの報道が正しいのか。日経新聞が書かざるを得なかった記事が本当なのだと思う。連載記事は「成功体験を捨てよ」とも書いた。日本が敗れたのはハードとしての自動車だけではない。「自動運転機能」搭載などは当たり前。人が運転するという常識すらない。
