手動式バリカン

床屋で突然、店主に聞いた。
「バリカンって何語かな」
「うーん。分かりません」
「じゃ、英語でなんていうんの」
「確か、クリッパーって言います」
「じゃ、バリカンは英語ではない」
「そうだと思います」

ウィキペディアで調べるとあった。
「東京帝国大学(東京大学)正門前の理髪店「喜多床」の二代目店主舩越景輝が刃の刻印からフランスのバリカン・エ・マール製作所(仏語:Bariquand et Marre、バリカンとマール。創業者ジュール・バリカンと後から加わったシャルル・マールによる共同経営)の名を発見、社名が名称として広まったものと確認した」
つまり、バリカンはフランス人の名前だったのだ。

バリカンは19世紀中期にセルビア人のニコラ・ビズミックが原理を考案。1883年(明治16年)、フランス駐在の日本公使館書記官・長田桂太郎が持ち帰り、理髪師の鳥海定吉が最初に使用して普及した。ちなみにフランス語ではトンズーズというそうだ。普及の背景にあったのは、陸軍での兵士の散髪。丸刈りにするのに便利だったのだ。