映画「西の魔女が死んだ」を観た
園田義明さんのすすめで金曜日、映画「西の魔女が死んだ」を新宿で観た。
最終日だったが、おばさんたちが大勢見に来ていた。
終わるころにはそこらですすり泣きが聞こえてきた。
いい映画だった。
物語は登校拒否になった娘まいとおばあちゃんの物語である。
おばあちゃんはイギリス人なのである。
おばあちゃんはおじいいちゃんの思い出とともに山に住んでいる。
おばあちゃんに預けられたまいはしばらくすると魔女の話を聞かされ、
私も魔女の修行をしたいと言い出す。
おばあちゃんはどうしてまいが登校拒否になったかお見通しなのである。
おかあさんがやり手のビジネスウーマンで、母親の愛が足りないことを知っていた。
魔女の修行にはまず普通の生活を送ることが必要なのだということを諭し、
「あなたは何時に寝て何時に起きるの」と聞く。
「寝るのは2時か3時」と聞いたおばあちゃんは驚いて、
魔女の修行のためにあなたの普通の生活のスケジュールをつくるよう求める。
まいは「おばあちゃんは何時に起きるの」と聞く。
「6時ですよ」
「それは無理。7時になら起きられる」
「それなら一緒に朝ごはんを食べられるわ」
こんな会話を繰り返しながら、まいを普通の生活に戻すよう諭す。
結局、登校拒否の理由は不規則は日常生活だったのだ。
まいの生活改善はまず「おはよう」という言葉から始まる。
そして朝ごはんだ。
まいは、日々の労働と勉強が必要なことをいつのまにか知らされる。
ある晩、まいの部屋をノックする音がする。まいは夜空を見ていたのだが、
おばあちゃんは焼きたてのクッキーを持ってドアの前に立っていた。
「もう歯をみがいたの」
「そう、私もみがいたのよ。でもね。突然、クッキーを焼きたくなる夜があるのよ」
といって二人で会話しながらクッキーを食べるシーンがある。
規則正しい生活も大切だが、たまにははめを外してもいいのだ。
おばあちゃんとの会話で、まいの心は日々、癒されていくのだ。
象徴的なシーンはまいに洗濯桶に足踏みさせてシーツを洗わせ、
ラベンダーの畑の上にシーツを乾かす場面だ。
シーツにラベンダーの香りが移って心地よい夜を過ごせるというイギリス人の知恵なのだ。