2年農相5人のうち4人が辞任
太田誠一農相が9月19日、辞任した。後任はなく、町村官房長官が兼任する。残す”任期”が後5日となってい るから、「兼任」なのだろうが、汚染米への不安が拡大する中、たとえ自民党の総裁選で新内閣に変わるからといって最高責任者の農相が”不在”のままでいい のだろうか。
それにしても安倍内閣以来、太田氏は5人目の農相。松岡農相は事務所の光熱費問題などから自殺、あとを継いだ 赤城徳彦氏は父親の自宅を事務所として届出したことが問題となり2カ月で辞任に追い込まれた。昨年8月の改造内閣で就任した遠藤も金銭問題によりたった8 日間で辞任した。その後、若林正俊氏が就任して、今年8月まで農相を務め、太田氏に引き継いだ。
太田氏は汚染米問題で引責辞任したかたちとなったが、事務所費疑惑が浮上する一方で、農相就任直後に出演したテレビ番組で「消費者としての国民がやかましくいろいろと言うから、応えざるを得ない」と発言するなど物議をかもし出していた。
そもそも5年前の早大生による集団レイプ事件について「まだ元気があるからいい。正常に近いじゃないか」と突拍子もない発言をしていた御仁だ。そんな人物が農相に就任されていたのだから、とんでもない話なのだ。
過去2年間で農相5人のうち、4人までが不祥事で職を辞したこと自体問題なのだが、ニューヨーク発の金融危機が世界を駆け巡り、国内では食の安全への不 安が連鎖的に拡大している時期に、首相が職務を”放棄”したまま、農相も”兼任”ってのはどうなのか。いま、この国で責任を取る人物が不在なのであ る。(いがぐり頭)
この2年間の農相
42代 2006年9月26日 松岡利勝(安倍内閣)=自殺
― 2007年5月28日 若林正俊(臨時代理)
43代 2007年6月01日 赤城徳彦=辞任
44代 2007年8月01日 若林正俊
45代 2007年8月27日 遠藤武彦(安倍改造内閣)=辞任
― 2007年9月03日 甘利明(臨時代理)
46代 2007年9月04日 若林正俊
47代 2007年9月26日 若林正俊(福田内閣)
48代 2008年8月02日 太田誠一(福田改造内閣) =辞任
49代 2008年9月19日 町村信孝(官房長官兼任)