中国の自動車市場が日本のそれを上回って2年、ついに昨年はアメリカのそれをも抜いて、さらに弾みをつけている。13億の民が住んでいて、すでに1億人は日本並みの生活水準を享受しているのだから、当たり前といえば当たり前すぎる話なのだ。
 日本が3位に落ちた、それを甘んじるのかという議論がある。それを「脅威論」として捉える方がおかしい。いずれインドも同じ方向をたどるだろう。明治こ のかたアジアに誇りを求めてきたのではなかったのか。20世紀という時代がおかしかったのだと捉えれば、何も不思議はない。再び中国に教えを請う時代が やってくるのかもしれない。日本人はそんな覚悟をいまから備えておかなければならない。
 特に注目されるのは上海自動車集団。GMやフォルクスワーゲンと提携し、2009年は57%増の272万台を 生産した。今年は300万台の生産を目指しており、一気に世界のトップ5に食い込む勢いだ。独自ブランドの売上台数は少ないものの、中国市場の急拡大に応 じて技術力を蓄積することは確実。(伴 武澄)

 自動車、中国シフト進む 09年8社生産、初めて米超す【日経新聞1月25日】
 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100126ATDC2500525012010.html
 国内自動車メーカーの生産・販売に占める中国の比重が急速に膨らんでいる。トヨタ自動車など乗用車メーカー8社が25日発表した2009年の生産・販売 実績によると、8社合計の中国での生産台数が初めて米国を上回った。販売でも日産自動車では中国が日本を抜いて米にほぼ並んだほか、ホンダは日中が同規模 になった。中国メーカーや欧州勢を交えた競争が激化する中、中国戦略の成否が各社の業績を大きく左右する。
 日産の中国販売は前年比38.7%増の75万5千台で、トヨタを抜き日本勢で最大となった。日産にとって国別では最大の米市場(77万台)にも肩を並べ る規模だ。志賀俊之最高執行責任者は「中国でのシェアはまだ10%未満で、引き上げを目指す」と規模拡大に意欲をみせる。
 ホンダの中国販売は21%増の58万2千台で、前年並みの日本(62万5千台)に迫った。一方、トヨタ自動車の中国販売は70万9千台と21.1%増えたが、米国の177万台、日本の137万5千台とはまだ開きがある。 (01:09)

 自動車生産能力、中国10社が12年に2100万台 供給過剰の懸念
 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100124ATGM2302C23012010.html
 【北京=多部田俊輔】中国で自動車の新工場建設計画が急増している。外資との合弁事業を展開する企業だけでなく、自主ブランドメーカーも生産を増強。上 位10社で2009年に約1200万台だった生産能力は12年には7割増の約2100万台に達する見通し。09年の新車販売台数が08年比46%増の 1364万台に達し世界最大となった中国市場でのシェア拡大が狙いだが、生産能力過剰に陥る恐れも出ている。
 中国最大手の上海汽車集団は12年の年産能力を09年比3割増の360万台まで引き上げる。同社は米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲ ン(VW)と合弁事業を展開。減税などで農村での販売台数が急増した小型車を中心に生産能力を大幅に増やす。 (07:00)

 中国最大手の上海汽車、09年新車販売57%増の272万台
 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100106AT2M0502R05012010.html
 【上海=下原口徹】中国の自動車最大手である上海汽車集団は5日、2009年の新車販売台数が前年比57.1%増の272万4635台に達したと発表した。同社は09年10月に中国初の200万台メーカーとなったばかりだが、10年は一気に300万台超の販売を目指す。
 09年の合弁企業別の販売台数は、米ゼネラル・モーターズ(GM)などと小型商用車を生産する上海通用五菱汽車が約106万5000台でトップ。独フォ ルクスワーゲン(VW)と組む上海大衆汽車と、GMと「ビュイック」や「シボレー」などを生産する上海GMが約73万台で並んだ。
 一方、上海汽車の自主ブランドである「栄威」「名爵」の販売台数は同2.5倍に達したものの、台数は9万台にとどまった。上海汽車は10年に「栄威」ブ ランドでハイブリッド車を投入することなどにより、来年は自主ブランド車を18万台まで倍増させる計画だ。(01:28)