土佐山日記4 散髪のため山を下りた
7月7日。七夕。散髪のために山を下りた。いつも行く上町の北山理容室で髪をつんでもらいながら(ちなみに、高知では髪をつむと言う)土佐山の話をした。
昨日、生ゴミから有機肥料をつくる作業が始まった。肥料を雨に濡らすわけにいかないので、簡素な建て屋づくりから始まった。柱の杭内から屋根材のための竹割りもした。けっこうな肉体労働だった。生ゴミはとてつもなく臭かった。「よくあの臭いに耐えられたね」と言うと異口同音に「口で息をしていた」という答えが返ってきて一堂爆笑した。
そんな四方山話をした。
「土佐山のお客さん、たくさん来てもらいよります」
「そうやね。土佐山には床屋がないというちょった。美容室が1軒あってよっぽど髪をつんでもらおうと思ったけんど・・・」
「やめちょいて下さい。ははは。それそうと土佐山オーベルジュのずっと先の工石山の方に画家がアトリエをもっちゅうが、知っちょりますか。名前はなんじゃったっけ。そう、土佐山で校長先生をしちょった人じゃ」
「あんな辺鄙なところでどうやって住んでいるだろうか」
「いや住んじゃあせん。絵を描くときと酒を飲みにいくのに使っちゅうにかわらん」
「ぜひ一度、お訪ねしたい」
どうでも話いいが延々と続く。ついでにいうと、この北山理容室はおじいさんの時代からあって、国家公務員を辞めてUターンした父親も世話になっている。僕で3代目。この間、孫も髪をつんでもらったから、5代にわたる。当主は変わっているが、5代にわたって同じ床屋に世話になっている人はざらにはいないだろうと多少威張りたい気持ちになっている。
自慢話のついでに、4日に高知放送のラジオ番組に生出演したところ、何人もの土佐山の人が聞いていて「あんたがラジオに出よった伴さんかよ。土佐山アカデミー受講生いいよったからどんな人かと思いよった」という感じで一躍、地元住民の知れるところとなってしまった。思わぬところで土佐山アカデミーを宣伝することになってしまったことも嬉しい。(写真は7月3日の高知新聞に掲載されたアカデミーの入校式)