世界連邦のイニシアチブを取る意義がある日本人
昨年11月の日経新聞の「私の履歴書」を書いたのは元米国野村證券会長の寺澤芳男氏だった。最終回に自らWorld Federalistであることを明らかにした。自分のこれからの仕事として「国際人の育成と世界連邦の実現に向けた努力である」と述べ、尾崎行雄につい て言及した。
私が尊敬する政治家・尾崎行雄(1858-1954年)は憲政擁護運動で有名だが、世界市民が同じ条件で暮らせる連邦思想 を持ち、それを理想とした。その構想は選挙区を持つ政治家ではなく、市民によるものとして尾崎行雄記念財団が引き継いだ。キリスト教でもイスラム教でもな いヤオヨロズの神をもつ日本人として世界連邦のお膳立てを手伝いたい。特に世界で唯一の核の被爆国として、日本人がそのイニシアチブを取ることに意義があ る。
尾崎は20世紀初め、米タフト大統領夫人の希望で、数千本のサクラの苗木を贈った。こうしてワシントンの名所となったポトマック河 畔は来年植樹から100周年を迎え、数々の記念行事が準備されていると聞く。この話は日米興隆にいろいろな手法があると私たちの教えてくれる。
履歴書第1回で東日本大震災に遭われた方たちと一緒に元気になりたいと書いた。被災者ではなく我々がもっともっと知恵を出し、行動しなくてはと思う。
ここでドイツの文豪ゲーテの言葉をとくに若い人たちに紹介したい。
財を失うことは小さく失うことである。
名誉を失うことは大きく失うことである。
勇気を失うことはすべてを失うことである。
これからの人生、何が待ち受けているかわかりませんが、勇気ある日々を送りましょう。皆さん、ありがとうございました。