おかしな日本の選挙制度
選挙区の決定方法は、日本でも衆議院の議員定数是正や選挙区改正が大きな政治問題となっている。例えば米国下院の選挙区はいわゆる「小選挙区」つまり一人一区制度である。各州には10年ごとに実施される国政調査に基づき議席が再配分されることになっている。定員65人でスタートした米国下院は新しい州が合衆国に加入したり、人口が増加するごとに定員を増やしてきたが、1929年、定員が435人となったところで「これ以上、人口増加に比例して定員を増やしていくと際限なく定員が増加してしまう」ことを理由に『下院の定数を永久に固定する』法律を制定、その代わりに人口が増減した際に各選挙区の定員を再配分することとなり、現実に各州議会が小選挙区の再区割りを実施してきた。この結果、選挙区の平均人口は約53万人である。
一方の上院ではどんな人口の小さな州でも定員は州2人はわれわれからみてもおかしな制度となっている。しかし、米国は連邦国家で州の連合体が合衆国政府を構成しているのだと考えればそれほど不都合とはいえない。ともかく米国下院はほぽ60年前の議論を通じて既に民主的な選挙システムを構築し終えているといってよいだろう。