結婚しても外国人なら別姓
Fさんは台湾のCさんと結婚して子供もいる。でも別姓のまま。日本人同士なら、結婚と同時に二人の名前が記載された新たな戸籍がつくられるが、相手が外国人の場合、片方の日本人の名前しか記載されず。相手の外国人は「婚姻」の欄に書かれるだけ。日本人でなければ国籍を作れないのである。だから、二人は当たり前のように別姓となる。日本人が相手側の苗字に変更したい場合は、3カ月以内に健康手続きをすればいいが、外国人は戸籍法上、変更ができない。ただ住民票に載る「通称名」であれば、「通称記載申請書」を出せば変更できる。夫婦別姓を議論しているじだいなのに何かおかしいと思わないか。
CさんはFさんと同居しているから「日本で3年以上居住」という帰化の条件をクリアしているが、Cさんは母国の国籍を失いたくないらしい。二重国籍を許している国は少なくないが、日本は厳格に二重国籍を許さない。
では戸籍とは何なのか。「戸籍の日本史」を紐解いてみた。江戸から明治になって近代化のため国民をつくる必要が生まれた。それまであった人別長に代わって、明治4年に制定されたのが「戸籍」である。日本に住む華族、士族、神官、僧侶、平民に到るすべての身分を戸籍に登録した。戸籍は住民票と違って住む場所を示す必要はなかった。いまでも一番の人気の戸籍は東京都千代田区1丁目一番地。つまり公共である。目的は徴税と徴兵だった。大化の改新の時代につくった戸籍が復活したのだった。現行の戸籍法では、一つの戸籍に記載される範囲は「親と非婚の子」の二代までであるが、戦前の戸籍は家が中心だった。戸主がいて、妻、子どものほかに両親、さらに弟が要れば、弟、さらにその妻、そして子どもまでもが一つの戸籍に登録されていた。この戸籍は届出の期限はなく、過怠に対する罰則もなかったため、かなりいい加減なものだった。特に。懲役に対しては戸主や長男は徴兵を免除していたし、ある時期までは北海道や沖縄には適用していなかったため、徴兵逃れのために、分家して戸主となったり、戸籍を北海道に移したりするケースが横行した。有名なのは夏目漱石が40歳を過ぎるまで北海道に戸籍を移していたことである。
