長浜小プール事故の補償5400万円?
12月4日に開会した高知市議会の冒頭、昨年7月に発生した長浜小学校児童のプール死亡事故の和解についての議案が桑名龍吾高知市長から提案され、賛成32、棄権1で可決した。棄権したのは僕一人だった。議案に示された損害賠償金額は5421万3452円だが、この他に日本スポーツ振興センター災害共済から見舞金約3000万円が3月に給付されているため、総額約8400万円が遺族に支払われることになった。問題は高知新聞を含めて多くのメディアがニュースで金額を示さなかった。高知放送は5400万円と報道した。議案に3000万円のことが書かれていなかったからだ。
損害賠償責任は本来、過失を認めて初めて発生するもの。3月末に第三者委員会がまとめた報告書を含めて、高知市はこれまでプール事故の過失を認めていない。それを一歩譲るとしても、損害賠償額が5400万円とあまりに少ない。そう思い、本会議でただ一人質問した。一般的な議案は事前に議員や報道に配布されるが、和解に関する議案は4日に市長から提案があった。事前に決められた4日の議事運営では、10分間の休憩をはさんで質問、採決をすることが決まっていた。市長説明の内容がどうなるか分からないままだったが、①内訳と総額、そして算定方法は?②賠償金の原資は、保険金か?③内払い金とは何の目的で、いつ支払ったのか、どうして議会に報告がなかったのかーなどの質問を用意した。一番の問題は、すでに支払いが終わっている3000万円の意味。半分見舞金的性格があるが損害賠償の部分もある。その内訳が分からないと、損害賠償の総額が分からない。また、損害賠償の部分が含まれるのなら、第三者委員会の事故報告もまとまっていない段階で支払いを行うのはおかしなことと言わざるを得ない。だから支給した日時も重要な要素となる。3000万円の内容と支給日時については二度質問したが、教育長ははぐらかして答弁しなかった。
