6月5日午後、高知市議会のまちづくり調査特別委員会が開かれ、先月、とさでん交通が減便案を打ち出した高知市地域公共交通会議の内容の報告があった。2月にも同会議が開かれ、とさでん交通からバス運転手不足など窮状を訴えがあったが、議会にはまったく報告がなかった。まず市民協働部の怠慢を批判しなければならない。

 その2月の会議で、とさでん交通労組の白木委員長の話が衝撃的だった。運転手不足について「低賃金と長時間労働」が挙げられ、「全産業との基本給の比較等で言いますと、一般の仕事ですと月31万円ちょっと・・・私どもの労働組合の実態調査でいきますと27万円ぐらい・・・とさでんで言うともっともっと少ない、21万円ちょっとという実態」

 この8年の推移でいうと、59人の採用に対して退職者は149人。退職者のうち100人が定年ではなく、自己都合だったというからものすごい。広島バスや伊予鉄バスなど県外のバス会社に引き抜かれたに違いない。21万円という賃金では高知といえども暮らしてはいけまい。

 とさでんの試算では現在、178人のバス運転手が10年後には65人にまで減少するとしている。バス便は単純計算で現在の3分の1になる計算だ。自己都合退職者は推計以上に増えていくだろうから、4分の1、5分の1になったとしてもおかしくない。このままでは僕の目の黒いうちに高知市の公共交通はなくなってしまう。