今年1月、広島バスは、3月以降に入社する社員の初任給を運転手で3万4500円、整備士で3万6800円引き上げ、運転手と2級資格がある整備士が24万円となると発表した。中国バス協会によれば「初任給をここまで大幅に上げるバス会社は珍しい」。僕はこれから、公共交通の賃金アップと県境を超えた運転手の奪い合いが始まり、賃金の安い「とさでん交通」などは格好の草刈り場になるのではないかと予想する。バス運転手の不足問題は、「とさでんに乗ろう」運動を始めた一昨年にはあまり想定していなかった。経営面からこの会社は存続できないと思っていたが、問題はもっと根が深かったと言わざるを得ない。
 2021年度の厚生労働省調査によると、バス運転手の平均給料(月収)は33.7万円。年収換算では、賞与も含めて403.9万円。賞与(ボーナス)は62万円なのだそうだ。高知の賃金が飛びぬけて安いのだと考えていたが、実は全国のバス運転手は相当冷遇されていることが分かった。

 ちなみに「とさでん」の大学・大学院卒初任給は179,400円、短大・専門学校等卒は169,400円。昨年末、徳島にバスで行った時、徳島バスの運転手募集の広告を見て、徳島はまだ恵まれていると思った。
ネットで調べると、給与(初任給) 契約社員(基本給18万5千円+諸手当)。モデル年収は平均月収  362,500円。(賞与は年間3.7カ月)と比較的高く、平均年収 4,350,000円(正社員登用後)となるそうだ。

 伊予鉄グループは1月15日、事業会社の伊予鉄道(従業員約250人)と伊予鉄バス(約300人)で、1月から基本給を平均5%以上引き上げると発表した。初任給は9%以上の賃上げ。、処遇改善で不足する人材の確保と定着を図る。初任給(諸手当は別)は鉄道が2万円増の20万円、バスが17000円増の20万5000円で、そう高いとは思わないが同時に、完全週休3日制を選択可能な制度の導入も明らかにした。同社によると、月額例 250,000円~300,000円(諸手当含む)となるのだそうだ。