4月の高知市議選に再挑戦することを決断しました。遅まきながらこれから3カ月駆け抜ける決意です。再挑戦に当たっての政策は前回の水問題に加えて、「高知の電車・バスを守る」ことです。市民の足を守るのは市民の義務であることを訴えてまいります。
 電車通勤を初めて1年以上になります(ちなみに高知では電車は市電のこと)。多少の不便を我慢すれば、悪くありません。しかし、乗っているうちにいろいろ疑問が出てきました。まずは空気を運んでいるようなバス路線が少なくありません。高知市内の大部分は電車、バスともに200円均一ですが、300円、400円と距離に応じて運賃はどんどん高くなります。そして、運賃が高い路線ほど本数が少なく、終バスの時間も早いのです。電車の場合、200円区間を一駅出るだけで310円になる理由も分かりません。とさでん交通の運賃換算にルールがあるとも思えません。東京都の市バスはあの広い23区内、210円均一です。世界の多くの都市でも市内均一が当たり前です。
 実は旧土佐電鉄は昭和27年、市内均一運賃をいち早く導入して全国的にも注目された歴史があります。1993年、運賃を170円から180円に引き上げた際に、均一料金区間を縮小して今に到っています。高知大学生が利用する朝倉の前の駅「曙東町」までは200円です。学生のほとんどが「曙東町」で降りるのです。せめて朝倉駅まで均一区間に戻しても経営に影響を与えないでしょう。
 高知市では、前年の冬11月から1月、休日祝祭日の電車・バスが無料になりました。今年はデスカ所有者は10円です。電車・バスを再認識させるいい試みだったと思います。実際、多くの市民が利用し始めています。運賃が安ければ、市民は歓迎するでしょう。
 とさでん交通は2014年、土佐電鉄と高知県交通が合併した会社ですが、その際、高知県が50%、高知市が30%、その他20%を周辺市町が株式を持つことになりました。100%公営企業です。つまり、われわれ市民のものです。年間経費は約40億円、5億円ほど赤字で、補助金が出ています。考えてみれば、働く県民50万人が年間、1万円利用すれば、50億円の収入となります。1万円といえば、月800円。簡単に言えば、「それぐらいの負担はしましょうよ」ということです。
 高知県には約3万人の公務員がいます。県の場合、電車・バスの利用者はたった500人です。8000人以上がマイカー通勤をしています。東京や大阪では考えられないことです。実は公務員がもう少しだけ通勤に利用してくれるだけでも経営は相当改善するのです。
 これから3カ月、そんなことを訴えていきたいと思います。このまま、電車・バスの利用がじり貧になっていけば、路線減少、減便、そして値上げが確実にやってきます。そうならない前に、市民が多少の負担をして、この公共サービスを守っていきたいと思います。(はりまや橋夜学会代表 伴武澄)