ウ侵攻半年、潤う石油企業 夜学会253
ロシアによるウクライナ侵攻で誰が得をするのか。世界の関心が集まっていたが、日経が集計した主要企業の4-6月期決算でシェルやエクソンが利益を5-4倍伸ばしてランキング上位に戻って来た。Coevid19 のワクチンで業績が躍進しているファイザーはトップテン入りした。ランキングトップはサウジアラムコ。4半期ベースで463億ドル。年間24兆円ペースの利益。売り上げではない、あくまで利益である。ちなみに日本勢トップはトヨタ自動車の22位。三菱商事も41億ドルと31位と大幅にランクを上げた。さすがにロッキード・マーティンやノースロップ・グラマン、ゼネラル・ダイナミクスなどアメリカ軍事産業はまだランキング上位には顔を現していない。
ウクライナ侵攻が始まってから24日で半年たった。ゼレンスキー大統領は「ウクライナを回復する」と息巻いており、アメリカやEUもウクライナを全面支援する姿勢を崩していない。世界的脱炭素社会構築への機運から石油の時代は終わったかにみえたが、ロシアによるウクライナ侵攻によって世界経済の趨勢は逆転しかねない。戦争が続く限り、石油企業の時代が続くことになる。一方で原発への回帰も始まりかけている。岸田文雄首相は24日、次世代型の原子力発電所について開発・建設を検討するよう指示した。原発の新増設を想定しない東日本大震災以降の方針を転換するのだ。再稼働する原発は2023年夏以降に最大17基へ増やし、中長期的な電力確保をめざすという。大した議論もなく、日本のエネルギー政策はいつのまにか大きく転換する可能性が強い。福島原発事故への教訓は忘れ去られるのだろうか。