高知市では、市内の約1万6000人の小学生を対象にした路面電車と路線バス無料キャンペーンが始まっている。夏休み限定。学校を通じて配布される「こどもフリーパス」を、定期券のように運転士に見せると無料乗車できる。高知市が2000万円補助する。

 さらに11月から来年1月まで日曜日に限定した10円乗り放題事業を行う。デスカカード利用が原則だが、現金の場合は100円となる。いずれにせよワンコイン。一年前に行った「無料サービス」が好評だったため、今年度も実施することになった。高知市は事業資金として1億2300万円を用意している。

 ドイツでは6月から夏休み限定で国内の電車、バスの公共交通機関の利用について、月額9ユーロ(約1,200円)という破格のサービスを行っている。何度乗ってもどこまでいっても同一運賃。9月以降の運賃がどうなるか注目されているが、脱炭素社会への移行策の一環として連邦政府が議決した。

 高知県では人口減少を受けて、公共交通機関の在り方が問われており。昨年11月からの無料サービスは全国的にも注目されている。地域の交通機関の課題は単に採算性の問題ではない。バスも鉄道も赤字路線は補助金頼みである。その補助金頼みを「税金で運営する」という逆転の発想で運営できないかというのが今回の問題提起である。 これまでの問題は、利用者減、赤字、値上げ、さらなる利用者減、路線廃止の連続だった。今も全国各地でそのような事例が相次いでいる。 一方、高齢者の運転免許返上の問題もある。もちろん事故を起こす可能性のある高齢者が運転を続ける危険はあるものの、公共交通機関が貧弱であったり、高い運賃であることを考えると、運転免許を返上しない高齢者を一方的に批判できる環境ではない。 いまほど車がなくとも暮らせる社会環境の整備が不可欠な時代はない。 理想はワンコイン公共交通機関である。幸か不幸か高知県の公共交通機関は基本的に1社体制である。