7月10日の参院選では自公が改憲に必要な3分の2を獲得して与党が圧勝した。というより野党が自壊した。参院選で一番のトピックは安倍晋三元首相の暗殺だったと考えている。岸田内閣は13日、安倍元首相の死に対して国葬を行うことを決めた。現職首相が暗殺されたのならともかく、前の前の首相である。しかも森友問題や桜を見る会、加計学園問題など毀誉褒貶の多い首相だった。メディアの多くは安倍元首相の影の部分にはほとんど触れることなく、日々が流れている。要人警護体制への批判もかまびすしい。国葬が行われるほどの人物への警護があまりにお粗末だったという論調があまりに多いと思いませんか。

へんなムードはそれだけではない。参政党という政治団体が比例区で170万票を集めて神谷さんが当選、しかも政党要件としての有効得票の2%もクリアしてしまった。45選挙区すべての候補者を擁立し、比例区でも5人を立てた。候補者のほとんどが普通の市民だったことも特徴である。短時間でそれだけの資金とネットワークを築いたのだから不思議な現象と言わなければならない。事実、公示時に3万人程度であった「党員」は投開票日前には9万人に達したというから驚きだ。確かにユーチューブにおける存在は普通ではない。多くの国民が突然、出現した参政党に興味を示したことは事実である。参政党の主張はそんなに目新しいものではなかった。違ったのは、コロナ・ワクチンに対する批判と有機農業への姿勢であろうか。ここらが多くの有権者の心に浸透した理由ではなかったかと考えている。参政党のネットワークは今後、自治体議員に広がっていくものと考えている。無所属議員が少なくない自治体選挙で参政党の名前を連呼するだけで当選者が急増しそうな予感がする。