1998年の「週刊ダイヤモンド9.21号」で、窓枠など最大手トステムの潮田健次郎社長への小さなインタビュー記事で興味深い発言があった。それを思い出している。
 潮田は日本の住宅着工戸数について「20年後には80万戸近くまで落ち込む」と言い切っている。当時、1996年度の163万戸あった住宅着工戸数が97年度は134万戸に落ち込み、さらに98年度は125万戸を下回る水準で推移していた。80万戸まで落ち込むと断言した理由は明快だった。「住宅は世代を超えて相続されるうえ、第二次ベビーブーマー世代が結婚した後は人口統計上、世帯数は増えないからだ」という。

 潮田社長の預言はずばり当たっていた。2010年度、戸数は80万戸を切って以来、この10年、80万戸から90万戸を行き来しているのだ。

 僕はすでにデスクの立場になって、現場にはいなかったが、日本経済がこのままでは縮小していってしまうという危機感はあった。住宅という基幹事業の規模が半分近くに縮小することを口にする大胆な経営者に出会ったことはない。社長の任期は長くて10年である。だれもが拡大基調を前提に経営を考えて当然だった。

(千戸)
年度総戸数持家系借家系
H111,226788438
121,213784429
131,173721452
141,146682464
151,174707467
161,193716477
171,249723526
181,285738547
191,036594441
201,039583456
21775451325
22819521298
23841544297
24893566327
25987612375
26880514366
27921531390
28974541433
29946531416
30953555398
R元884543341