夫婦別姓問題を語ろう 夜学会205
6月25日(金)午後7時から
テーマ:夫婦別姓
場所:WaterBase
講師:伴武澄
6月23日、最高裁は夫婦同姓を定めた民法を合憲とする判決を出した。江戸時代まで「姓」は「氏」といった。そのむかし「姓」は「かばね」で、天皇から与えられた家の尊称だったはずだ。「藤原」は「かばね」で、一条だとか近衛、鷹司などは「氏」なのだ。多くは住んでいた地名を「氏」とした歴史がある。「かばね」のない人々も同じように地名を「氏」としたケースが多い。結婚は同じ血が交わらないように少なくとも隣村から嫁が迎えられた。村の中では同じ氏を名乗る人々ばかりだったから、妻が別姓を名乗るのはかなり肩身の狭い思いをさせられたのではないかと考えてしまう。もちろんたとえ氏があったとしても「姓」で呼ばれることはほとんどなかったはずだから、戸籍がない時代には同姓であろうが別姓であろうがどうでもいいことだったに違いないのだ。問題は戦前までは「家」の存続が社会的に重要視されたため、養子縁組が頻繁に行われていた。その場合、男性であっても養子先の姓を名乗ることが求められた。だから姓が変わることは何も女性に限られた問題ではなかった。政府は明治9年3月17日の太政官指令で”妻の氏は『所生ノ氏』(=実家の氏)を用いることとした。つまり夫婦は別姓だった。ところが明治31年の民法制定から結婚夫婦は男の姓を名乗ることが定められた。これが戦後は「どちらかの姓」に変更された。その結果、約98%が夫の姓を名乗っている。女性の姓を名乗る夫婦は少数派である。別姓問題は時代の変遷によって浮上してきたが、そもそも姓の概念のない国もある。中国や韓国はもともと別姓だし、結婚後の姓の法的規定を設けている国の方が少ないようだ。そうなると日本の民法は実は世界的に少数派に属することになる。社会通念としては、結婚しても以前の姓のままで働ける企業も少なくない。さてあなたはどちらを選びたいですか。