12月20日(金)の夜学会は開催します。
テーマ:1000人の戦犯を帰国させた女、李徳全
時間:午後7時から
場所;WaterBase

 戦後、日本と中国との関係はいびつな形からスタートした。第二次大戦で日本は中華民国と敵対し敗戦を迎えた。その中華民国は1949年、中国共産党によって大陸を追われて台湾に政権を移した。1952年、台湾と日華平和条約を締結した時、広大な中国大陸は中華人民共和国となっていた。
 中国との国交は1971年を待たなければならなかった。その間、国交のない状態が続いていたが、その壁を突き崩したのが李徳全という中国の女性だった。
10月初旬、東京の財団法人霞山会を訪れた時、「李徳全」という本を見つけて借りてきた。中国にこんな女性が存在していたことすら知らなかったことに恥じ入った。
李徳全はモンゴル族の貧しい家に育ち、クリスチャン・ジェネラルとして共産党側についた軍閥、馮玉祥に嫁いだ。中華人民共和国成立後、衛生部長(大臣)に就任、紅十字総会会長を兼任した。李徳全が日本にとって重要な役割を果たしたのは、戦後初の中国代表団を率いて訪日し、戦犯とされた1000人前後の日本人を 無事帰国させた点である。
 戦後の日本と中国の関係はLT貿易、廖承志と高碕達之助の協力から始まったと思っていたが、「李徳全」のおかげで、そのLT貿易の始まる前に李徳全の大きな貢献があったことを初めて知った。
 この書籍は石川好監修のもと、程麻、林振江の二人の中国人によって書かれた。いわば日中合作といってよい。