3月8日(金)の夜学会

午後7時から

はりまや橋商店街イベント広場

講師:伴武澄

つい最近、高知市九反田東公園に、「憲政之祖国」と描かれた石碑があるのを発見した。明治初期に開成館があった場所で、昭和17年に板垣退助邸を移築し、憲政館を開設した。憲政館と称する場所は国会議事堂の前にある憲政記念館とここ高知にしかなかった。

高知の憲政館は老朽化し、昭和41年に建て替えられたが、2005年、維持費がかかりすぎるとの理由で解体されたという。同じ頃、桜馬場の植木枝盛の旧宅も取り壊された。 高知市は高知が誇りとする記念物を「コスト」でしか計算できないのだろうか。壊されたものは元に戻らない。

「憲政之祖国」の横にもう一つの大きな石碑があって、「維新の元勲板垣退助先生征韓論に敗れ冠を掛けて郷に退き同志と共に立志社を創す」「世人土佐を憲政の祖国と做す」「此の地後藤象二郎先生が開国の主唱者吉田東洋先生の遺策を紹き開成館を建設セル所」「明治四年板垣先生が西郷・大久保・木戸の三傑と廃藩置県御親告献上等新政府強化の長策を凝議せし記念の殿堂なり」などと書かれている。

 僕は自由民権運動を明治維新に続く第二弾ロケットだったと書いたことがある。近代日本の礎を築いた先人たちを顕彰する建物を失った意味は小さくない。