昨年10月5日、徳島市で世界連邦四国ブロック大会が開催された。全国でブロック会
議があるのは四国だけ、4県の支部が順番に大会を開催している。第1回目が。東京オリンピック開催の前年、1963年だったから、50回目の記念すべき大会となった。

 今回の大会で面白かったのは、参加者を交えた議論が広がったことだった。原発や環
境問題、はてはエスペラント語にまで広がった。個人的に面白かったのは徳島支部の一
人が発言した領土問題だった。

「徳島県は賀川豊彦の故郷、賀川ランドをつくれないものか」
「つまり世界連邦の領土ということか」
「そういうことだ」
「確か、作家の北杜夫が自宅を領土としたマブゼ国を建国したことがある。架空の国家
だが、どこかに、ここが世界連邦の領土だと宣言すれば面白い」
 ここまでは現実の議論で、ここから先は帰りの車の中での議論だ。

「今日の大会は珍しく議論が盛んだったね。面白かったよ」
「そうそう、予定していた講師がこれなくなったため、議論の時間が生まれたんだよ」
「日本大会もそうだが、参加者が意見を戦わす場が全然ないのはおかしいよ」
「昔のブロック大会は泊まり込みで2日にわたって開催していたからそんな時間もあっ
た。サンデル教授の白熱教室みたいにやれたらいいね」
「さっきの議論の延長だけど、土佐市に使っていない農地が2反ほどあるんだけど、世
界連邦の領土にしてもいいよ」
「えっ、それいいね。世界連邦領土なんて看板を立てれば話題になるかもしれないぜ」
「やろう、やろう。『高知県に初の世界連邦領土』なんて見出しでニュースになるかも
しれない」
「土佐市自身がかつて世界連邦宣言しているんだから、全く問題ない。市長に提案して
みようか」

 こんな議論が車内で延々と続いた。そんな話は不真面目だと怒られるかもしれないが、本人たちはいたって真面目なのである。大上段に世界連邦を振りかざしても誰も振り向いてもくれない。だから議論の引き金になる目に見える行動が必要だというのが共通認識である。

 松山支部はこれまでも平和出張や授業作文コンクールに力を入れてきたが、昨年から世界連邦の幟をつくった頻繁に街頭に立っている。松山市内だけではく、原爆の日には広島市に出かけ、東京で理事会があった際には新宿でも街頭に立った。議論も大切だが、行動が不可欠というのが松山支部の考え。今回の大会宣言では「次回開催地の高知で世界連邦四国八策(仮称)を策定する」ことを決めたことは大きな前進だった。

 高知支部としては次回の大会から四国以外の支部からの参加を求めることになったことを報告しておきたい。(文責 伴武澄四国ブロック会長)