特定秘密保護法が6日成立した。昨夜、法案が参院で成立した時、安倍晋三首相がみせた笑顔は不気味だった。有権者は必ず安倍政権を選択したことに禍根を遺すであろう。
 この法律の危険性についてはすでに書いたのでもう書かない。いずれにせよ施行は1年後だ。僕としては次の総選挙で自民党政権を倒し、この法律を廃止に持ち込む政権を樹立させなければならないと強く感じている。
 法律は一度できたら永遠ではない。廃止できるのだという期待を持ちたい。この法律だけは「のど元過ぎれば」では困る。経済対策や増税問題とは異質であることを思えておこう。
 そもそも安倍政権が誕生したのは、1年前。野田首相が安倍晋三氏との党首会談で選挙制度の改革を「やろうじゃないですか。この場で確約してくれれば、すぐにでも解散します」とのたもうた。そこで「やります」と国民の前で啖呵を切ったのも安倍氏だった。
 だから自民党政権が本来、まっさきに手をつけるべきことは選挙制度の改革だったはずである。にもかかわらず、通常国会でも今回の臨時国会でも自民党は選挙制度に手をつけようとしていない。ここらを有権者はちゃんと思い出すべきである。
 特定秘密保護法は誰が書いたのか分からない、ぬえのような法律である。本当に重要な法律ならば、長い審議期間がある通常国会で議論すべき問題である。
 これまで国の基本政策となるような問題は新年度の4月ごろに問題提起され、学識経験者を含めた審議会で議論し、その答申を得て、年末に大綱が出来上がり、次の年の通常国会に法案として上程されるというのが常道だったはずである。
 それが今回は降って湧いたように上程されたのである。
 自民党がインテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチームを発足させたのが、8月27日。9月3日にはこのプロジェクトチームが「法案を大筋合意」している。たった1週間である。さらに10月9日にはインテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム・内閣部会・法務部会・外交部会・国防部会合同会議が法律案を了承した。法案は10月25日、閣議決定され、年末の予算編成までに何が何でも成立させなければならないというのだから、そもそもおかしな話だったのである。