昨日、ユーザー車検を体験した。検査登録印紙代1800円と、用紙代25円、合計1825円を支払って、整備場で約10分の検査を終えると「合格です」と言われた。事務所に戻って書類を提出すると10分ほどで新しい車検証が発行された。
 高知県の運輸局整備場は自宅から15分ほどの郊外にある。時間の余裕をとって午後零時に家を出て、2時には帰宅していた。
 車はスカイラインの2500ccである。もちろん、自動車重量税24600円と自賠責保険の27840円は支払わなければならないが、1825円という支出にあらためて驚かされた。東京など大都会では1日仕事になるが、地方都市では片手間である。前日に知り合いの自動車整備工場に出向き「整備記録」をつくってもらった。たくさんある点検項目に「ぺけ」を入れるだけである。もちろん無料だった。
 検査工程を簡単に説明する。まず事前に「予約」が必要となる。電話でもネットでも、1週間先までの予約が可能だ。整備工場には検査ラインが4本ある。まず、小型車は第1コースに入れと指示された。前の車が検査中だったが、待つこと2分、「前進せよ」と指示が出る。ラインまで進むと前照灯とブレーキランプ、ウインカーなどのチェックがある。次にボンネットを開けさせられ、ブレーキオイルなどの残量を調べる。
 次に進むとローラの上で、時速40キロまで速度を上げて、急ブレーキを踏む。ブレーキのチェックだ。さらに進んでヘッドライトの上げ下げをさせられ、排ガスがチェックされる。最後の行程は車の「ガタ」をみるのだろうか、車を揺らすチェックがあり、その間、車体を下から検査される。
 緊張したが、あっという間に終わった。一番驚いたのは車検場がすいていたことである。考えてみれば、多くの自動車は民間車検場で車検が行われ、運輸局の整備場に持ち込まれるのはほんの一部である。本物の車検場がすいているのは当然に思われた。それと「検査」があまりにもあっさりしていたことにも驚かされた。もっと複雑な検査行程があるものと信じていたのだ。
 よくタイヤの溝が浅くなっていると「これでは車検通りませんよ」とティーラーに言われたりしたこともあるが、見ていたのか、そんな検査はないのか分からないが、検査官がタイヤの溝の深さを測ったわけでもなかった。整備工場の人にいわせれば「車検は検査のその時点で一定の性能があることを調べるだけで、車検期間の2年間の性能を保障するものでもなんでもない」ということらしい。車検後の車はユーザーの「オウン・リスク」で乗るということなのだということを知らされた。
 時間のあるみなさん、ぜひユーザー車検を体験下さい。運輸局の人たちもみな親切ですし、ものすごく得した気分になります。以前に川崎市でゴルフを車検に出したら「外車価格」と称して国産車より1万円多く取られた経験がある。検査に外車も国産もないのに「どうして」だったのだろう。