公共事業は役立たないことは学んだはずだ
テレビ報道を見ていると、安倍新政権に対しての国民の期待が景気であることを浮き彫りにさせている。たった一年9カ月前、われわれは未曾有の大震災・津波に遭遇したのではなかったか。日本がいま、直面している問題は東北の復興と放射能問題ではないのか!
復興予算を、復興とは関係ない公共事業に流用していたのは霞ヶ関の官僚たちだった。野田政権はすでに20兆円規模の復興計画を立てている。昨年度は12兆円の補正予算を組んだ。百歩譲ってこのお金が日本経済の潤滑油になれば、と思ったこともある。ところが、この大型のな復興予算によっても日本列島に活気が戻ることはない。一向に効果がないのである。
ということは景気に公共事業は役立たないということなのである。90年代に100兆円の国債を発行して景気対策を行ったのは小渕内閣だった。自身で日本一の借金王と豪語した記憶はそんなに古くはない。
自民党が90年代に繰り返し投入した財政資金はほとんど日本経済の立て直しには役立たなかった。それどころか、日本の財政はGDPの2倍にも及ぶ借金を積み重ねた。
景気対策に公共事業が役立たないことは小泉政権時代に学んだはずである。にもかかわらず安倍政権は「大型補正予算」に言及しているのである。国民もまた公共事業を求めているのである。
日本経済の足を引っ張っているのは、霞ヶ関が牛耳る各種の規制であることは、石原前東京知事や橋下大阪市長に言われなくとも分かっている。福島原発事故の後、不可欠なのは再生可能エネルギーを少しでも増やすことであるはずなのに、小水力などでは、相変わらず行政が足を引っ張るばかりである。
ドイツでは再生可能エネルギーが消費エネルギーの20%にも達している。そのドイツでできたことがなぜ日本でできないのか。ひとえに原子力一筋で結束している霞ヶ関が負の情報を流し続け、その不効率性のみを喧伝してきたからにほかならない。
消費税増税に見通しが立ったとたんに「公共事業」の大合唱が起きるのはどういうことなのか。
野田さん、あなたは霞ヶ関官僚に騙されたのですよ、消費税増税は、官僚たちがが社会保障の一体改革などと称して自前の事業資金を調達しただけだったのです。そんなことに政治生命をかけてしまったのです。