土佐山に来るまで水がこんなに美しいものだと思わなかった。金曜日、炭焼きの火入れの前に炭小屋の近くを散策した、段々畑の真ん中に巨石があって、そばを何の変哲もない渓流が流れていた。
 何度かシャッターを押している間に、高速シャッターで流れを撮ってみたらどうだろうと考えた。カメラのモードを自動からシャッター速度優先に変更して、どんどんスピードを上げていった。2000分の1が限界だった。
 この1枚倍はシャッター速度を2000分撮った一コマだ。夏のほとばしる水の涼しさがよく表現されたと思っている。
 これまでは川の水の流れを重視して、なるべく遅いシャッタースピードで撮影してきた。流れ全体を撮るには確かにいいのだが、涼しさが感じられない。
 土佐山では山や森はもちろん、草花、昆虫、雲、空、雨・・・何でも被写体となる。残念なことにその名前が分からない。分かり出したらたぶん、山の生活の楽しみは何十倍にもなるのではないかと思う。
 この晩はイノシシ小屋でバーベキューをしてもらい、星空を仰いだのだが、北斗七星以外に星座の名前が分からない。