10月25日、テスラ・モーターのショールームが南青山でオープンした。いよいよ来月から日本でもテスラ・ロードスターの販売が始まる。テスラ・モーターはGoogleやeBay、PayPalの創業者などシリコンバレーを拠点として活躍する人々が立ち上げた自動車メーカーだった。大手自動車がやらないのなら自分たちでやろうというのがシリコンバレーの創業者精神である。
 テスラ・ロードスターを発表したのは2006年で、2007年から販売された。リチウムイオン・バッテリーと240馬力に匹敵する182キロワットAC(交流)モーターを装備したこのスポーツカー。約3時間半の充電で400キロの走行が可能で、時速100キロまでの加速性能は4秒以下という性能と10万ドルという価格は変わらない。
 注目されるのは再来年に発売予定のセダンのステラS(写真上)。価格を半分の5万ドルにするというから驚きでもある。1ドル=80円台となった円高国、日本にとっては400万円だから安いBMWよりさらに安くなる。補助金も適用されば、300万円以下ということになり、一般国産車との価格差すらなくなるかもしれない。燃費がガソリン車と比べて断トツにいい。というよりほとんど1キロ=1円という電気代で走れるからこの価格が実現すれば間違いなく革命的である。同じ価格帯の三菱「i-MiEV(アイ・ミーブ)などは吹き飛んでしまうかもしれない。さらに5年後には3万ドルまで価格を引き下げるというスケジュールまで発表しているからテスラ社の意気込みが伝わるというものだ。
 テスラの名はまだ日本では浸透していないが、ハリウッドではもはやステータスシンボルに等しいそうだ。かつて俳優たちが競ってプリウスに乗りたがったと同じように「ゼロ・エミッション・カー」に乗るということは新しい生き方を示しているようなものなのだ。そういう意味でテスラ社が日本のファッション街のど真ん中に「TESLA」のネオンサインを掲げたのは正しい選択だったようだ。昨日の記者発表ではショールームはテスラを一目見ようとする報道陣でごった返していたという。(伴 武澄)

 Google創業者らがつくった電気自動車
 http://www.yorozubp.com/0612/061203.htm