民主党が総選挙のマニフェストに掲げた「高速道路」無料化は萬晩報のかつてからの主張だ。元々高速道路は建設費が利用料金で償還されたあかつきに無料化されるはずのものだった。それがいつの間にか「値上げ」された上に償還期間も40年、50年と次々と延長された。これでは永遠の有料化に等しい。
 百歩譲って「永遠の有料化」であっても多少の利用料なら誰も文句はいわない。日本の高速道路は使用するガソリン代よりも高いのである。ガソリン代より高い道路の利用料金があっていいはずがない。高速道路の利用料を払えない運送会社や利用料を節約しようとする運転手が出現するほどの高額の利用料となっては何のために高速道路を建設しているのか分からない。現在の日本の高速道路はまさに消費するガソリン代より高額の利用料を取っている。
 そのべらぼうに高い料金を支払わされて祝祭日や盆暮れの大渋滞にあったのではたまったものではない。新幹線だって一定以上の遅れとなると特急料金の払い戻しがある。こうなると日本の高速道路は詐欺に等しい。一刻も早く無料化するべきなのだ。
 高速道路無料化を唱えると必ず、環境派の人々からより多くの自動車が走るようになって二酸化炭素の排出量が増えると反対するが、環境保全のために国家的詐欺行為を見逃していいはずがない。
 また無料化すると、道路の保全だけでなく高速道路会社そのものの経営がなりたたなくなると言う者もいるかもしれない。しかし、道路保全は一般国道と一緒に国費で行えばいいし、高速道路はその会社のためにあるのではない。役割を終えた会社は速やかに解消すればいいのである。
 いまは全国3つの会社に民営化された高速道路網はそれぞれに料金徴収のための子会社を抱えている。そこの従業員を数えていたら嫌になった。1万人を優に超える社員が存在する。これにパートや派遣、OBなどを加えると数万人規模の料金徴収人員を抱えていることになる。この人数の人件費は数千億円規模になるはずだ。そもそも高速道路会社の一番の仕事が料金徴収であるはずのに、その役割が別会社になっていること事態がおかしい。
 高速道路と扱いがほぼ同じになっている一般国道が日本にただ一つある。名阪国道の天理-亀山間である。制限時速は60キロとなっているが、両端が東名阪と西名阪につながっているため、100キロ以下で走行している車両はほとんどいない。”事実上の高速道路”なのである。無料の高速道路となったいきさつはいろいろあるが、元々がバイパス国道として計画されて地元住民の協力を得ていたためである。
 高速道路が無料化されると渋滞が増えるかもしれないが、例えばリットリ当たり40キロ近く走るプリウスに乗って東京-大阪を走ると13リットル、つまり1500円程度で大阪にたどりつくことができることになる。これはガソリンの暫定税率が続くことを前提にしており、ガソリン価格が27円安くなれば、東京-大阪は1000円の距離ということになる。新幹線も航空会社も頭を抱えることになるが、「ちょっと大阪までたこ焼き杭にいこうか」ということが可能になる。(伴 武澄)