日本の電気自動車開発でトップランナーの三菱自動車は3月のジュネーブ・モーターショーに魅力的な「iMiEV SPORT AIR」を発表した。iMiEVは今夏に300万円前後で発売される見通しで、1回の充電で160キロ走行できるのがウリであるが、iMiEV SPORT AIRはデザインをさらに進化させたプロトタイプ。
 電気自動車は走行距離が短いのが普及を遅らせる原因となっている。普通のドライバーが日常的に走る距離はせいぜい50キロだから、1回の充電で100キロも走れれば実用的に十分なはずだが、たまの家族旅行で長距離を走りたいというドライバーも少なくない。だが、2台目、3台目を保有している家庭では日常の買い物や通勤に使用するために1台ぐらい電気自動車であってもいいはずだ。
 問題はいくら環境によくてもかっこが悪ければ売れない。街を走行中に「アッ」といわせるデザインなら多少価格が高くとも買いたくなる。日本でクルマは基本的にファッションなのだから。
 どうでもいいことかもしれないが、このミニ電気自動車を登録するときには軽自動車のジャンルになるこだろうか。そのむかしロータリーエンジン搭載車が登場したとき、レシプロエンジンと比べてほぼ2倍の出力が出ることから「馬力」で課税されたという経緯がある。ちなみに、iMiEV SPORT AIRのモーターの出力は60Kw。1200ccのレジプロエンジン車程度の馬力はあるのだ。(伴武澄)