ユヌス氏、神戸でシンポジウム 賀川豊彦献身100年事業
バングラデシュのグラミン銀行総裁で、ノーベル平和賞の受賞者ムハマド・ユヌス氏を招いたシンポジウムが7-9日、神戸市の神戸国際会議場と神戸大学百年記念館で開かれる。賀川豊彦(1888-1960)が神戸のスラムに入って救済活動を始めて100年となるのを記念した賀川豊彦献身100年記念のキックオフ事業として行われる。
シンポジウムは神戸大学と賀川豊彦献身100年記念事業実行委員会との共催。テーマは「持続可能な社会づくりとソーシャルワーク」。
8日はユヌス氏が「もうひとつのソーシャルワーク-グラミン銀行が提起する新しい方向」と題して講演。講演を受けた対談では日本の社会福祉分野の第一人者である阿部志郎・神奈川県立保健福祉大学名誉学長が登壇、貧困からの脱却について意見交換する。
献身100年の記念事業は東京と神戸で計4回のシンポジウムを開催するほか、黒木瞳主演の映画「死線を越えて」(リメイク版)の上映会を全国各地で開く。また4月には賀川の大正時代のベストセラー小説「死線を越えて」がPHP研究所から復刻、秋には賀川の生涯を描いた劇画本も出版される予定。
賀川は大正期から労働組合、協同組合、農民組合など社会運動を指導、戦後は世界連邦運動を推進し、平和運動家としてノーベル平和賞の候補にも挙げられた。著作は小説、詩集、評論、経済書など200冊以上に及び、「死線を越えて」は上中下巻で400万部を売った。
ESDシンポジウムインKOBE~持続可能な社会づくりにおけるソーシャルワークの意義~
ESDシンポジウムインKOBE「持続可能な社会づくりとソーシャルワーク」
2009年3月7日(土)13:00-17:00
神戸大学百年記念館六甲ホール
プレセッション
研究の共有ワークショップ
「ムハマド・ユヌス」「賀川豊彦」
「マイクロクレジット」「ESD」
2009年3月8日(日)12:30-17:00
神戸国際会議場メインホール
メインセッション
基調講演:ムハマド・ユヌス氏 2006年ノーベル平和賞受賞
「持続可能な社会づくりとソーシャルビジネス」
もうひとつのソーシャルワーク
グラミン銀行が提起する新しい方向~」
講演:阿部志郎氏 神奈川県立保健福祉大学名誉学長
「ESD 実践の草分けとしての賀川豊彦」
対談:ムハマド・ユヌス氏・阿部志郎氏
「ESDに資するソーシャルワークの現在・過去・未来」
司会:上野谷加代子 同志社大学教授
2009年3月9日(月)09:15-13:00
神戸大学百年記念館六甲ホール
神戸大学学生とユヌス氏とのトークセッション
神戸大学名誉博士号授与式
主催:神戸大学、賀川豊彦献身100年記念事業神戸プロジェクト実行委員会
詳しい内容の問い合わせは以下。
神戸プロジェクト 078(371)3550
東京プロジェクト 03(3302)2855