執筆者:伴 武澄【萬晩報主宰】

【読者の声】同時多発テロの対処には報復戦しかないのか
K.Itoh
> テロ事件の余波は恐るべきであり、まだまだ、その裏にある、本質的な問題のあぶり出しにはすこし、冷静なる時間が必要でしょう。もし、ラディンが自首し、面前の前で、おれはシロだといって自殺でもしたら、米国は、振り上げてたこぶしをどのようにするのでしょうか。米国は、その前に、彼を犯人ときめつけて、一仕事してしますのでしょうね。ここまで風呂敷をひろげて、米国としてどうしても、アフガンと一戦交えないと収まりはつかないでしょう。世界中の見えない敵であるテロをあいてに戦争をするわけにはいかないからです。

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> 今回の本質は、グローバリスムという虚偽の仮面のもとにおける西欧社会による搾取の構造が原因です。アフリカ、中東、アジヤ、南米などの民族紛争は、すべて、欧米の代理戦争がその背景にあるのですから。土日は、各局のTVのテロ問題の特集番組に、くぎ付けになっていましたが。本質をするどく、論破している局はすくなく、遠慮がちにふれています。NHKスペシャルがもうすこし、本質に突っ込むかと思ったのですが、弱腰でした、田原総一郎も弱腰でした。すべてが米国を正当化する中で、それはおかしいと指摘するマスコミが居ないという、恐ろしさです。これで国民は完全に洗脳され、悪魔のラディン、正義のブッシュという構図が、しっかりと、作りこまれてしまいます。なぜ、テロが発生したのか、その原因は、だれも触れないのです。欧米の列強が作りだした、ユダヤ、キリスト、イスラムの2000年の確執と怨念、それをあおり、たっぷりと利用してきた列強の搾取の構造、それこそ、この問題の本質なのですが。

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> さて、昨日、今日のニュースで、ボーダフォンがついに、日本テレコムの買収に動き出しました、まさに、業界再編成の第2段です、そして、今朝の新聞で、ベリオに投資したNTTが見事にやられました。1兆円が巻き上げられたことになります。日本のIT企業の体力をすり落とす戦略が確実に動き出しています。マイカルの倒産は、スリムになった上で、外資が買収するでしょう。日本政府は、まだ、パールハーバの意味がわかっていないようです。外資による日本企業の買収、IT企業の骨抜きとIT市場の席捲、金融の次にくるものが見えていないのでしょうか。「なぜ、HPとコンパックが合併しなければならなかったのか」、その本質に迫る記事は皆無です。これはうまくいかないとうたぐいの表面的な記事ばかりです。米国のIT業界が、世界席捲という、米国の戦略がその根底にあることを見抜けない、マスコミですね。 IBM,HP+コンパック、サンマイクロ、シスコ、マイクロソフト、オラクル、そして、通信、なぜ、米国の戦略が見えないのでしょうか?

武力で戦ってはならない

いつも萬晩報興味深く拝見させていただいております。ありがとうございます。今回始めてご連絡させていただきました。個人的に同時多発テロのニュースを聞いて感じていることです。

深い悲しみと怒りを感じています。家族や友人、信頼するものを失った(あるいは失う事さえもできずにいる)多くの人の為に祈り、悩んでいます。テロは許せません。けれど、それとアメリカが武力行使する事は違うと思うのです。

テロがすべてのアメリカ人とユダヤ人を殺す事ができないようにアメリカもまたアメリカに対して「憎しみ」を抱いているすべての人をこの星から消滅させる事はできないのです。もちろん、短期的に組織力や機動力を奪う事はできるのかもしれません。でもこれはなにも解決しません。女性の自殺率がタリバン政権下で増加したと聞いています。多くの権利を奪われ生きる目的や希望を失ったのでしょう。でも、その中でも子供を産み育て、耐えている人達がいます。そして、今殺されようとしているのはその人達です。これには私自身非常に強い憤りを感じますし、やがて新たな「憎しみ」が生まれる事は必須です。

既に民間人は巻き込まれている。だからいい、という問題ではありません。既に巻きこまれているのは地球上のすべての国、人民です。日本も無関係ではありません。日本がブッシュ大統領を支持することは人殺しに手を貸す事と同じだと思います。聖戦なんてありません。あるのは報復は報復を呼び、人類の歴史は血の流し会いを繰り返すという事実だけです。

私は心を痛めつつ「自分の日常」を送っています。とりあえずは品質の高い商品を消費者に提供する。お客様が安心して飲めるビールを提供しつづける事です。(ビールの歴史も5000年、戦いの歴史と近いものがあるかもしれません)もうひとつ、私達一人一人が考えなければならない事を少しずつ周囲に解かってもらえたらと、思っています。お互い戦いのない未来の為にできる事をしましょう。それは人は異なっている部分より「同じ」部分の方が多い事を自覚し、隣の人を愛することから始まると思います。

お忙しいところ素人の文章を読むというお時間割いてくださりありがとうございました。あわせて女性特有の「子宮で考えているような」文章である事、お許しください。

日本がやるべきこと

小泉さんは、今度は“熟考”ではなく“考える”らしい。願わくば、戦争や警察というのはコンサルタントや評論家の仕事ではなく、プロの仕事であるということをわきまえて、アメリカの言うことを聞いてほしいものだ。そうして、戦争アレルギーの日本は、今回の事件を“戦争”としてではなく、あくまでも“世界的凶悪事件”として捉えていることを明確に世界に伝えるべきではないのか。そうすれが、自ずと日本がすべき仕事がはっきりする。日本はアメリカの尻について出かけるようなことがあるかもしれない。PKOかなにかでカンボジアかどこかに丸腰の自衛隊員を送って見殺しにしたのは、運が悪かったのではなく、しかるべく防御装備を提供しなかった日本の政治家の責任であり、殺人行為以外のなにものでもあるまい。世界貿易センターや米国防省に突っ込んだテロ集団には世界法も平和を望む日本国憲法も馬の耳に念仏だ。ましてや戦争なんぞは狂人のやることなのである。日本国民全員がガンジーを実践しようと言うのなら別だが、今回も、せめて出かけてくれる日本人のためには、日本の憲法で可能なのではなく、日本の国力で可能な最大限の、現実的な保護と防御をしてやることが、日本人そして日本政府の責任のはずだ、と思うのだが。

今回のようなテロ事件に対しては、日本とて対岸の火事としてながめているわけにはゆくまい。日本はアジア諸国の一員として、なぜこの機にアジア諸国と協力して飛び火防止策を講じようとしないのだろうか。中国は日本なんぞには目もくれずにしかるべき手を打っている。

老人 今こそ日本の外交を

今回のテロに対してアメリカ国民が犯人を憎み、報復を唱えるのはいたしかたないでしょう。しかし日本がアメリカの立場に全面的に与し、最大限の協力を行うのは賛成できません。その行為は中東世界の恨みを買う結果にはなっても世界の平和に貢献する事にはなりません。

不幸にも事件の被害に遭遇した方々には言葉の申し上げようがありませんが、と同時にこれから犠牲者となり、新たな難民となるであろう中東の人々にも目を向けなければなりません。一般人をも巻き込んだ報復攻撃を行えばブッシュ大統領も主犯とされるウサマ、ビンラディン氏やらと同類になってしまいます。

今回のテロの背景には世界の富や権力のアメリカ一極集中への警戒とパレスチナ問題への不公平な取り組み、内向きの外交姿勢などがあるのではと取り沙汰されていますが、その数々の難問の解決に向けてヨーロッパ諸国は特使を派遣するなどの努力はしているらしいのですが、アラブ民衆の心の奥底には西欧諸国に対するぬぐい難い不信感があるような気がします。

そうした心情を理解するには真に公平な観点からの歴史認識のときほぎしが不可欠であり、そこからしか複雑と言われる中東問題解決の糸口は見えてきません。

イスラムでもキリスト教圏でもないアジアの国が同胞として今こそそうした努力を行う事が、日頃から言われるアメリカ一辺倒の外交からの脱却となり、武力行使を放棄した日本の平和への貢献となるのです。

こうした意見の集約が戦争に対する小さな歯止めになればと願います。

宮城県在住 大山政典

「民主主義への挑戦か

米国の指導者は,「これは自由と民主主義に対する挑戦」なのだとし,NATO諸国を初め世界のあらゆる国にこの価値観を押し付けています。本当にそんなものなのでしょうか?

これはアメリカの「傲慢さに対する挑戦」という側面もあるのではないかと感じています。

もちろんビン・ラディンが今回のテロの首謀者であると決め付けるには確たる証拠が揃っているわけではなく,「諸悪の根源は,ラディン及びイスラム原理主義である」といった単細胞な発想にはうっかり乗ることはできません。(ここにもアメリカが得意とする単純化が見られますが。)

「オサマ・ビンラディン氏を中心としたテロ組織は確かに危険な存在」とありますが,いったい誰にとって危険であるのか,はっきり定義すれば事の本質が見えてくるのではないでしょうか。

さて,ラディンの過去のコメントには,イスラムの世界の人々がアメリカという国家の振舞いに不快感を募らせてきたことは伺えます。湾岸戦争以来,米国はサウジに軍隊を駐留させています。例えば彼の言葉を借りると,メッカ等のイスラムの聖地があるところでに女性兵が好き勝手な振舞いをしている,とあります。先日も駐パキスタン米国大使(女性)がムシャラフ大統領と懇談している映像がテレビで流れていましたが,彼女はスカーフ等で髪を隠すといったイスラム文化に配慮を示すこともなく話していました。これは例えば日本の畳の部屋に土足で上がりこむようなものではないでしょうか。緒方貞子さんもかつて高等難民弁務官としてスーダン等のイスラム国を訪問する際は,髪を隠していました。BBCの英国人女性特派員とて,厳格なイスラム国では同様にしています。

余談ですが,ケニアのアメリカ大使館が爆破された際,ケガ人の救助で大使館のケニア人職員や近辺で巻き込まれた地元の人々は後回しにされ,助かっていたであろうかなりの人数が放置されていた,と現地の新聞で読んだことがあります。結局は自分達さえよければ,ケニア人のことなど関心ないのか,という論調でした。

こんな米国の他の文化や伝統に対する無神経,尊敬の無さが,イスラムを苛立たせていると考えています。もちろん中東和平交渉における米国のダブル・スタンダード等のハード・ポリティクスに関わる問題はあります。ただ,イスラムの民衆レベルに広くアンチ・アメリカの支持が集まるのはこのような合衆国及びアメリカ国民の傲慢さもその底流にあるのではないでしょうか。

こんにちは、北海道からです。

世論は、なぜテロリストという存在が生まれたのかを考える機会を既に失っているようです。悪の象徴として、テロリストが最初から存在しているかのような論調が目に付きます。テロリスト=排除、という単純な図式で世界が平和になるはずがありません。

過去の忌々しい戦争の経験から、いったい何を学んできたのでしょう。それとも、歴史に対して無知を装うのは現代人のスタイルなのでしょうか。

アメリカは、自国の先住民族を教育や宗教というツールを使って洗脳し、民族の誇りと土地を奪いました。抵抗するものは殺したのです。そして、それと同じことを世界の国々に対して行っています。

平和に暮らしていた人々に、教育を受ける権利があると決めつけ、自分たち(アングロサクソン)の価値観を押しつける権利がどうしてアメリカにあるでしょう。グローバリゼーションはアメリカの詭弁であり、他国の人々の財産を奪う戦略に過ぎません。

アメリカに洗脳されている人間は「アメリカ=正義」を信じていますが、アメリカ帝国主義とアメリカ型資本主義こそが世界の悪です。

私たちに出来ることは、アメリカン・スタンダードに依存した現在のライフスタイルからの脱却と、食糧自給率を上げることです。完全に自立しているコミュニティは権力の支配が及びません。

奥野 龍治(tatsuji.okuno@nifty.com)